Newsletter of FCG Group.
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Friday June 2nd, 2023Greater China
北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳
失業保険料率、労災保険料率の段階的な引き下げ政策通知
2023年3月29日付で、各省、自治区、直轄市および新疆生産建設兵団において「失業保険料率、労災保険率の段階的な引き下げ政策に関する通知」(人社部発〔2023〕19号、以下「19号通知」という)が公布され、段階的に失業保険料率を1.0%までに引き下げる政策や労災保険料率を引き下げる政策の完了時期を2024年末までに延長することとなりました。
「19号通知」の目的は、企業の負担を減らし、企業の活力の向上、雇用の安定を促すことです。
主な通知の内容は以下のとおりです。
〈都市別失業保険料率〉
以下の都市は既に失業保険料率の引き下げを実施しています。失業保険料率の変更前後をまとめると以下のとおりです。
「19号通知」では、省(区、市)の行政区域内における雇用主及び従業員の失業保険料の負担率は統一させ、従業員負担率は雇用主負担率を超えてはならないこととされています。
各都市は規定に従い、保険料率を1.0%に引き下げましたが、従業員負担率の変化は大きくなく、雇用主負担率を引き下げている都市が多いようです。雇用主負担率の引き下げが大きく見られたのは蘇州・広州です。
一方で、北京のように個人負担率を0.2%から0.5%に引き上げたケースもあります。
香港
解雇補償へのMPF充当廃止について
1.解雇補償へのMPF充当廃止について
香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官は2023年4月28日、企業が従業員に支払う解雇補償金を強制退職年金基金「強制性公積金計画(MPF)」の資金から充当できる制度について、2025年5月1日に廃止すると発表しました。雇用期間のうち同日以降の分については、解雇補償金や長期服務金をMPFで相殺できなくなります。
現行のMPF資金の充当制度は、企業が勤続2年以上の従業員に支払う解雇補償金または勤続5年以上の被解雇者や定年退職者に支払う長期服務金について、従業員名義のMPF口座に企業と従業員が積み立てた資金のうち、企業側積み立て分を用いて相殺することを認めています。この制度が廃止されれば、勤労者の将来の保障が厚くなる一方、企業側にとっては労務コストが増えることになります。
企業が実際に負担する解雇補償金または長期服務金は、制度廃止の初年度から3年目までは助成金によって50%に抑えられます。その後は毎年段階的に企業負担の割合が引き上げられますが、25年目までは企業が支払うべき金額の一部を政府が肩代わりする仕組みとなります。
2.税務条例を再改正、EUの最新指針に対応
香港政府金融サービス・財務局の許正宇(クリストファー・ホイ)局長は2023年5月8日に開かれた立法会(議会)財政事務委員会で、今年1月に施行した税務条例の改正作業に着手したと明らかにしました。欧州連合(EU)の税務関連の最新ガイドラインに対応する目的となります。改正案には香港で実質的に経済活動を行っていない多国籍企業について、海外からの全ての受動的所得(配当や利子、特許使用料など)に課税を義務付ける内容を盛り込む方針で、2023年10月をめどに立法会に改正案を提出し、2024年1月の施行を目指すとしています。
所得の一部のみを課税の対象としていた条例改正案が2022年12月に可決された直後に、EUの税務関連のガイドラインが見直されたため、全ての受動的所得を対象とする内容で再改正を迫られる形となっています。
3.人材誘致優遇を拡大、AIなど含む51職種に
香港政府は2023年5月16日、人材確保計画で優遇する専門分野を指定した「人材リスト」の内容をこれまでの13職種から51職種に大幅に拡大すると発表しました。人工知能(AI)技術の専門家や助産師を含む医療専門家、大工などが新たに対象に加わります。
タレントリストに含まれる職種で、大卒資格(学士号)を持つ専門家や資格保有者、そして実務経験が豊富な方はビザ取得が優遇されます。通常、就労ビザ申請では香港のローカル人材では代替できないことを説明する必要がありますが、タレントリストに含まれる職業であれば説明は不要となります。51の職種詳細は以下URLから確認ができます(https://www.talentlist.gov.hk/en/index.html)。
4.消費券第2弾で130億ドル配布
香港政府は2023年5月29日、2023/24年度(23年4月~24年3月)の電子消費券について、第2弾の配布計画を発表しました。7月16日から配布し、新たに受給対象となる人の登録も受け付けます。
23/24年度の配布額は、18歳以上の永久居民(永住権保持者)と一定基準を満たした中国本土出身者らが1人当たり5,000香港ドル、永住権はないが香港の身分証(IDカード)を持つ香港居民は外国人家政婦や外交官など一部を除き半額の2,500香港ドルとなっています。このうち第1弾として4月16日から永久居民らに3,000香港ドル、有資格の香港居民らに1,500香港ドルをそれぞれ給付しており、第2弾として7月16日から、永久居民らに残りの2,000香港ドル、有資格の香港居民らに1,000香港ドルを給付します。
新たな受給対象者と、既に受給対象者となっていて受け取り方法を変更する人は、電子消費券計画の専用ウェブサイト内に設置するプラットフォームから登録する必要があります。
台湾
【コロナ感染者の増加について】
衛生福利部は5月23日、新型コロナウィルスの感染第4派が6月末にかけてピークを迎えるとの見通しを発表しました。5月第三週1週間の中重症者数が、3月に毎日の感染者数の把握を取りやめて以来、最多となっています。また、感染対策の強化は、今のところ発表されておらず、現状とままとなる見通しです。
【再生能源發展條例について】
経済部は5月29日、再生可能エネルギー利用の推進を目的とした「再生能源發展條例部分條文修正草案」が、立法院の三読会を通過したと発表しました。この条例には新築、増築または改築する際の建物の屋上への太陽光パネル設置義務などが盛り込まれています。この条例が、温室効果ガスの排出実質ゼロの目標に向けた法的な基盤になるとしています。
【2022年の経常性給与の上昇傾向について】
行政院主計総処は5月30日、昇給に関する調査を発表しました。
その中で、2022年に経常性給与の引き上げを行った企業は全体の33.3%となり、2021年から3%の上昇、昇給対象者は全体の39.6%となり、2021年から2.6%の上昇となりました。
また2023年3月時点において、同様に引き上げを行った企業は全体の28.2%、引き上げ未定の企業は34.8%、引き上げをしない企業は37.0%となっています。
【入出国及移民法の改正案について】
内政部移民署は5月30日、「入出国及移民法」の改正案が、立法院の三読会を通過したと発表しました。これにより外国人配偶者の居留証取得や永久居留証の取得の条件が緩和される見通しです。主な改正内容は以下のとおりです。
・台湾人配偶者と死別した外国人配偶者は、未成年の子供を養育または交流がある場合、居留証申請が可能となる。
・台湾人配偶者と家庭内暴力(DV)を理由に離婚した場合でも、居留証は引き続き有効となる。
・永久居留証の条件を年間台湾滞在日数183日以上から、直近5年の台湾滞在日数平均183日以上とする。
・居留証の申請期限を従来の入境15日以内から30日以内とする。
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