FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2023年10月03日中華圏
北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳
(中国本土)各種優遇税制の延長措置
2023年8月に、複数の優遇税制の延長措置が公布されました。これらの公告により、日系企業に対して影響の大きい、外国籍者に対する各種手当に関する個人所得税の優遇税制ついても延長されることとなります。各優遇税制の内容及び延長期間についての詳細は、以下をご覧ください。
1.外国籍者手当に関する個人所得税に関する公告(財政部 税務総局公告2023年第29号)
ⅰ. 外国籍の個人が居住者の条件に合致する場合、個人所得税専門付加控除を享受するか、『財政部国家税務総局の個人所得税若干政策問題に関する通知』(財税字〔1994〕020号)、『外国人個人の手当の取得に関する個人所得税の徴収・免除の執行問題に関する国家税務総局の通知』(国税発〔1997〕54号)と『財政部国家税務総局の外国人個人の香港・マカオ地区住宅取得などの手当による個人所得税の徴収に関する通知』(財税〔2004〕29号)に規定される住宅手当、語学訓練費、子女教育費などの免税優遇政策を享受することができる。但し、同時に享受してはならない。外国籍の個人は上記1つを選択した場合、納税年度内に変更してはならない。
ⅱ. 本公告は2027年12月31日まで執行する。
【専門附加控除と免税優遇項目】
※各専門附加控除は金額上限があるため、一般的に駐在員は優遇免税項目を選択した方が有利となります。
2.年1回賞与に関する個人所得税に関する公告(財政部 税務総局公告2023年第30号)
ⅰ. 居住者である個人が年1回性賞与を取得し、『国家税務総局の個人取得年1回性賞与の調整等に関する個人所得税の計算徴収方法問題に関する通知』(国税発〔2005〕9号)の規定に合致する場合、その年の総合所得に組み込まず、年1回性賞与を12ヶ月で割った金額を、本公告に添付された月換算後の総合所得税率表に基づき、適用税率と速算控除数を決定し、単独で税金を計算する。計算式は次のとおりである。
課税額=年1回性賞与収入×適用税率-速算控除数
ⅱ. 居住者である個人が年1回性賞与を取得する場合、その年度の総合所得計算納税に組み込むこともできる。
ⅲ. 本公告は2027年12月31日まで執行する。
3.設備及び器具の企業所得税控除に関する公告(財政部 税務総局公告2023年第37号)
ⅰ. 企業が2024年1月1日から2027年12月31日までの間に新たに購入した設備、器具の1単位あたりの価値が500万元を超えない場合、一度に当期費用に計上され課税所得額を計算する際に控除し、年度ごとに減価償却費を計上しないことを許可する。単位あたりの価値が500万元を超えた場合、企業所得税法実施条例、『財政部国家税務総局固定資産減価償却加速企業所得税政策の整備に関する通知』(財税〔2014〕75号)、『財政部国家税務総局固定資産減価償却加速企業所得税政策の更なる整備に関する通知』(財税〔2015〕106号)などの関連規定に従って執行する。
ⅱ. 本公告でいう設備、器具とは、家屋、建築物を除く固定資産を指す。
香港
単一の企業識別番号(UBI)の導入
1.単一の企業識別番号(UBI)の導入
香港会社登記局は2023年9月29日、国際金融センターとしての香港の地位を維持するために、会社登記局の管理下にある企業に対して、単一の企業識別番号(Unique Business Identifier、UBI)を導入することを発表しました。従来、税務局の管理するBusiness Registration Number(BRN)と会社登記局の管理するCompany Numberが別々に併存する形だったのですが、今後はBRNが各企業のUBIとして統一されることになります。
フェーズ1は2021年11月1日からリミテッド・パートナーシップ・ファンドに対して実施済で、フェーズ2として有限会社及びその他の様々な事業体を対象として、2023年12月27日から実施される予定です。
2.域外人材は9割が本土から、多様性が課題に
香港政府がさまざまなスキームで今年、香港域外から誘致した人材の9割以上が中国本土住民で占められていることが政府のデータで分かりました。サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)が2023年9月20日に伝えたものです。
2022年末に目玉政策の1つとして導入した高度人材誘致スキーム「トップタレントパス」では6月末までに2万5,961人が承認され、このうち95%が中国本土住民でした。高度な職業能力やスポーツ・芸術に優れた才能を持つ海外の人材に香港居住権を与える「優秀人材入境計画(QMAS)」は1~7月に9,522人が承認され、ほぼ全員が中国本土からとなったようです。
台湾
【2024年から、最低賃金約4%引き上げ】
台湾労働部は9月8日に、2024年1月1日から最低賃金を月給2万7,470台湾ドル、時給183台湾ドルに引き上げることを発表し、その後14日に、行政院が承認しました。これにより月給は1,070台湾ドル(4.05%)、時給は7台湾ドル(3.98%)引き上げられます。
今回の引き上げは、蔡英文総統が就任して以来8回目となり、月給は累計37.3%、時給は累計52.5%、それぞれ引き上げられることになります。最低賃金を下回る賃金により雇用した場合、雇用者に2万台湾ドル以上、150万台湾ドル以下の過料が科されます。
【新たな人材誘致強化策・高度外国人材の帰化要件を増訂】
台湾内政部は9月21日に、国籍法の一部を改正する法律案(國籍法部分條文修正草案)を公開しました。法律案によると、外国籍の人材を誘致する為に、高度外国人材(外國高級專業人才)の帰化に対する居住要件が、2年以上かつ毎年183日以上台湾に合法的に居留することもしくは台湾に5年以上居留することを決めます。
上記の修正案が、立法院に2023年度最後の議会にて審査される予定です。
【房屋税差別税率2.0に関する法律案発表】
台湾財政部は9月21日に、房屋税条例の一部を改正する法律案(房屋稅條例部分條文修正草案)を発表しました。7月6日に閣議決定を踏まえ、主に以下の項目を法制化することとなります。
● 税率を0%~4.8%に引き上げ、また保有戸数に応じ、単純累進税率方式に変更
● 保有戸数の計算基準を県単位から全国単位に変更
● 居住用住宅に対し、台湾湾全土で一戸に限り、1%の特別税率が適用します。
● 2024年7月1日施行予定です。
上記の修正案が、立法院に2023年度最後の議会にて審査される予定です。
【2会合連続で政策金利を据え置き】
台湾中央銀行は9月21日の会合で、政策金利を現在の1.875%に据え置くと発表しました。国内のインフレが緩和される一方で、経済成長率が想定以上に鈍化していることを踏まえ、利上げを見送りました。
【ガソリン・軽油、貨物税の減税を年末に延長】
行政院は9月19日に、物価安定タスクフォース会議(物價穩定小組會議)を開き、ガソリンと軽油に対する貨物税の減税を2023年12月末まで継続することを決定しました。この減税措置により、ガソリンと軽油の貨物税額がそれぞれ1リットル当たり2台湾ドル、1.5台湾ドル下げられ、1リットル当たり4.83台湾ドル、2.49台湾ドルの貨物税額となります。
【10月から電気料金を維持する一方で、四つの産業の緩和策も取り消すことに】
台湾経済部は9月19日に、10月からの電気料金を現在の水準に維持することを決める一方で、百貨店・映画館・スポーツジム・飲食店の四つの産業に対して、2022年7月から実施している新型コロナ緩和策としての電気料金据え置き措置を取り消すことを決めました。平均料金は一キロワット時当たり3.1154台湾ドルの水準となります。
【熊本、東北、沖縄、日本路線の拡大相次ぐ】
チャイナエアライン(中華航空)とスターラックス(星宇)航空が9月に、台北(桃園)-熊本便の開設をはじめ、さらにスターラックス航空が、台北(桃園)-名古屋(中部)便を、12月1日から運航すると発表しました。一方で、格安航空会社のタイガーエア台湾(台湾虎航)は台北(桃園)-福島間を結ぶ定期チャーター便を2024年1月から運航する計画を明らかにし、また台北(桃園)-秋田便も12月10日から運行する予定です。海上交通については、台湾東部・花蓮市が5日に、沖縄県与那国町とリモート会議を開き、2024年3月に両地を結ぶ直通高速船に関して検討することを発表しました。
【台湾版CHIPS法案が施行、減税措置も正式公表】
「台湾版CHIPS法案」と呼ばれる産業イノベーション条例(產業創新條例)第10条の2の改正法案が8月7日、正式に施行されました。2023年より、以下の条件を満たす企業は、革新的な研究開発への支出について税額控除率25%、また、先端的な製造プロセス設備の支出について税額控除率5%の租税特別措置の適用が可能と定められています。
● 同一課税年度内の研究開発費が60億台湾ドル以上かつ売上純額に占める割合が6%以上
● 当年度の実効税率12%以上
● 購入する自社使用の先端的な製造プロセス設備の支出金額が100億台湾ドル以上
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