FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2024年10月02日中華圏
北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳
法定退職年齢の延長について
2024年9月13日、「全国人民代表大会常務委員会による法定退職年齢延長の漸進的な実施に関する決定」(以下、「本施行法」という)が公布され、2025年1月1日より施行されます。施行開始から2039年12月まで15年間かけて段階的に退職年齢が延長されます。本施行法改正前の60歳定年の男性従業員と55歳定年の女性従業員は生年月4か月ごとに1か月延長、本施行法改正前の50歳定年の女性従業員は生年月2か月ごとに1か月延長されます(詳細は同時公開された別添4表「法定退職年齢引き上げ対照表」等を参照)。本施行の公布同日、人力資源社会保障部より退職年齢・退職時期・延長月数を自動計算表示するアプリケーションも公開されました。以下がアプリケーションの画面となります(例:1965年9月生まれ・男性従業員を選択後、退職年齢は60歳3か月、退職時期は2025年12月、延長月数は3か月と表示されます)。
公的年金受取のための保険料最低納付年数引き上げと早期退職について
本施行法により、従業員が公的年金受取のための保険料最低納付年数は15年から20年に段階的に引き上げられ、2030年から2039年にかけて年間6か月ずつ増加します。 法定定年に達したにもかかわらず、最低納付年数に満たない従業員は規定に従って最低納付年数に達するまで保険料納付を延長する、または最低納付年数に達するまでの相当額を前納することができ、保険料納付完了後に毎月公的年金を受け取ることができます。
また、法改正後最低納付年数に達した従業員は、自発的に柔軟かつ早期退職を選択することができるようになります。ただし、本施行法改正前の法定退職年齢を下回ることはできません(女性従業員の場合は50歳と55歳〔※〕、男性従業員は60歳)。従業員が法定定年に達し、雇用主と従業員が協議して合意に達した場合、従業員は最大3年間退職年齢を柔軟に延長することができます。なお、地方制度に他の規定がある場合は、それらの規定に従うこととされています。
各企業においては2025年以降に本来退職年齢を迎える従業員、および各従業員の年金保険料納付状況の把握、地方制度の把握、退職時期変動を考慮した要員計画を施行開始前の本年度中に進める必要があります。また、本施行法では早期退職や退職時期の延長は従業員権利として記載されており、一方的な退職敢行とならないよう注意が必要です。対象従業員の個別状況に応じて法律事務所等専門家への相談も適時ふまえながら慎重に対応を進める必要があります。
〔※〕:一般的に女性従業員については「工人」=一般職の定年が50歳、「干部」=幹部や管理職の定年は55歳とされていますが、「干部」の解釈を巡って労働紛争が起こることもありました。「干部」の定義を曖昧にしておくと退職年齢について紛争が起きる原因となってしまいます。就業規則の定年の記載に「干部」の定義が明確にされているか(例:課長以上、部長以上など)の確認も必要です。
香港
世界金融センター番付、香港が3位に返り咲き
1. 世界金融センター番付、香港が3位に返り咲き
英シンクタンクZ/Yenグループと中国総合開発研究院(CDI)が2024年9月24 日に発表した最新の「世界金融センター指数(GFCI)」ランキングで、香港はシンガポールを抜いて世界3位に返り咲き、アジアにおいては首位となりました。このランキングは、世界の商業都市が技術や科学を活用する能力を調査したもので、技術革新の支援、創造性の強さ、提供能力の3つの側面から、技術革新に関連する項目がいかに優れているかを調査しています。
なお、東京は前回調査からランクを1つ下げて20位となり、アジア内でも中国の各都市やソウル等に抜かれて7位まで後退しています。
上位20位までの金融センターのランキングは以下のとおりです。
Z/Yenパートナーズと中国開発研究所が公表したThe Global Financial Centres Indexを基に作成
2. 在香港日系企業の業績見通しが改善へ
2024年9月3日、日本貿易振興機構(JETRO)、在香港日本国総領事館、香港日本人商工会議所が行った「香港を取り巻くビジネス環境にかかるアンケート調査」の結果が発表され、香港に拠点を構える日系企業の業績見通しが、半年前よりも改善していることがわかりました。今回の調査では前回に比べて、「改善」の割合が3.0ポイント上昇、「悪化」と「大幅悪化」の合計は4.7ポイント低下しており、景況感が上向いたことが見て取れます。業績が改善すると見通した理由(複数回答)は「中国以外の海外への輸出拡大による売り上げ増加」と「香港市場での売り上げ増加」がともに42.9%で最も多かったようです。
台湾(台北・台中)
【2025年の最低賃金引上げ】
台湾労働部は9月4日に、2025年1月1日以降の最低賃金を月給28,590台湾ドル、時給190台湾ドルへの引き上げを発表し、9月13日に、行政院の承認を得ました。これにより月給は1,120台湾ドル(4.08%)、時給は7台湾ドル(3.83%)引き上げられます。
今回の引き上げは、2016年に与党の民主進歩党が政権を獲得して以来9回目となり、月給は累計42.9%、時給は累計58.3%、それぞれ引き上げられることになります。
【居留証を、不動産優遇税制に係る戸籍登記と見なす】
台湾財政部は9月4日、不動産優遇税制に係る戸籍登記に関する通達を公表しました。外国人が居留住所における土地及び家屋の所有権を取得する場合、台湾の居留証の取得をもって土地・房屋税の軽減税率を適用する条件の一つである戸籍登記を完了した、と見なすことになりました。
【エリート人材の永住許可条件とデジタルノマドビザ制度に係る優遇措置の導入予定】
台湾国家発展委員会は9月19日に「国家人材競争力向上プラン(國家人才競爭力躍升方案)」を公表し、2024年末までにエリート人材の永住許可条件の整備とデジタルノマドビザ制度に係る優遇措置の導入について発表しました。主な内容は以下の通りです:
・エリート人材の永住権:年収600万台湾ドル以上の高度人材の呼び込みを目的とした新制度「グローバル・エリート・カード(全球菁英卡)」検討しており、このビザの取得により、台湾にて在留期間が1年を超える場合、永住権の申し込むことができるほか、配偶者は労働許可を申請することができます。また、直系尊属は台湾に制限なしに滞在することができます。
・世界上位大学の新卒誘致:新卒採用につき、世界上位大学の新卒者に対して労働許可を発行し、台湾での就労の機会を確保します。
・デジタルノマドビザの新設:デジタルノマドビザの最大滞在期間は6ヶ月であり、台湾の会社に正社員として雇用されるまでの滞在期間のつなぎとすることができます。もしくは、就労ゴールドカード(就業金卡)またはスタートアップビザ(創業家簽證)への切り替えが可能です。
【中国、文旦の輸入の解禁と、台湾産農水産品34品目に対する関税免除措置を停止】
中国国務院関税税則委員会は9月2日をもって、2022年8月3日に禁止された台湾産の文旦の輸入を解禁することを発表しましたが、9月25日をもって、台湾で生産された果物15品目、野菜11品目と水産品8品目を対象に、関税免除に係る優遇措置を停止することを発表しました。一方、台湾農業部は中国以外の市場への販路の分散などの対策を検討し、中国の措置による損失と悪影響はコントロール可能であると発表しました。
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