Newsletter of FCG Group.
Newsletter of FCG Group.
Tuesday November 1st, 2016China
外商投資企業の設立及び変更備案管理暫定弁法の公布
商務部門は2016年10月8日付けで外商投資企業の設立及び変更備案管理暫定弁法(中華人民共和国商務部令2016年第3号)を公布・施行しました。当該弁法のうち、下記にポイントとして一部を抜粋しましたので、どうぞご参照ください。なお、中国語原文中の「备案」は届出・登録といった意味合いを持つと考えられますが、本ニュースレターでは「備案」という表現を用いてご案内させていただきます。
————————————————————————————————–
外商投資企業の設立及び変更備案管理暫定弁法(中華人民共和国商務部令2016年第3号)
◯外商投資企業の設立及び変更につき、国家が規定して実施する特別管理措置に関連しない場合、本弁法を適用する。
◯国務院の商務主管部門は全国範囲における外商投資企業の設立及び変更の備案管理を統一的に計画建てて指導する責任を負い、各省・自治区・直轄市等の商務主管部門は本区域内の外商投資企業の設立及び備案管理作業の責任を負う。
○備案のフロー
・ 外商投資企業の設立が本弁法規定の備案範囲内である場合、企業名称事前承認を取得後、全投資者が指名した代表または委託した代理人が営業許可証の発行前に、または外商投資企業が指定した代表または委託した代理人が営業許可証の発行後30日以内に、総合管理システムによりオンラインで「外商投資企業設立備案申請書」及び関連資料を提出し、設立の備案を行う。
・ 本弁法規定の備案範囲内にある外商投資企業に、下記の変更事項が発生した場合、変更発生後30日以内に総合管理システムによりオンラインで「外商投資企業変更備案申請書」及び関連資料を提出し、変更事項の備案を行う。
①外商投資企業の基本情報の変更(名称・登録住所・企業のタイプ・経営期限・投資業種・業務のタイプ・経営範囲・国家が規定する輸入設備の税金減免の範囲に属するかどうか・登録資本金・投資総額・組織機構構成・法定代表者・外商投資企業の最終的な実際の支配者の情報・連絡者及び連絡方式の変更)
②外商投資企業の投資者の基本情報の変更(氏名(名称)・国籍/地区または住所(登録地または登録住所)・証書のタイプ及び番号・払込引受出資額・出資方式・出資期限・資金源泉地・投資者のタイプの変更)
③持分(株式)・合作権益の変更
④合併・分割・終止
⑤外資企業の財産権益の対外抵当譲渡
⑥中外合作企業の外国合作者の投資先行回収
⑦中外合作企業の委託経営管理
この中で、合併・分割・減資等の関連法律法規により公告すべき事項は、変更の備案時に公告手続きの処理状況を説明する。
上述の変更事項が最高権力機構の決議に関連する場合、外商投資企業の最高権力機構の決議日を変更日とする。法律法規により外商投資企業の変更事項の発効日について別途要求がある場合、その要求を満たす日を変更日とする。
外商投資の上場会社及び全国中小企業持分譲渡システムに登録している会社は、外国投資者の持株比率が累計5%超の変更となり、持株や持株に相対する地位に変更があった場合、投資者基本情報または株式変更の備案手続きを行う。
・ 設立または変更備案手続きのため下記の必要資料を提出する。
①外商投資企業の名称事前承認資料または外商投資企業の営業許可証
②外商投資企業の全投資者またはその授権代表が署名した「外商投資企業設立備案申告承諾書」、または外商投資企業の法定代表者またはその授権代表が署名した「外商投資企業変更備案申告承諾書」
③全投資者または外商投資企業が指定した代表または共同して委託した代理人証明(授権委託書及び被委託者の身分証明を含む。)
④外商投資企業の投資者または法定代表者が委託した被委託者が署名した関連文書の証明(授権委託書及び被委託者の身分証明を含む。)
⑤投資者の主体資格証明または自然人の身分証明(投資者の基本情報の変更に関連しない場合は不要)
⑥法定代表者の自然人身分証明(法定代表者の変更に関連しない場合は不要)
上述の書類の原本が外国語による場合は翻訳を提出する。外商投資企業またはその投資者はその中国語訳が原文の内容と一致していることを確実にする。
・ 営業許可証発行前に備案の情報を提示した場合で、その後投資状況に変更があれば、営業許可証発行後30日以内に変更の備案手続きを行う。
・ 既に設立が許可された外商投資企業で変更事項が発生し、変更後の外商投資企業が国家が規定して実施する特別管理措置に関連しない場合、備案手続きを行い、備案完了後、その「外商投資企業批准証書」は失効する。
・ 備案管理される外商投資企業に発生した変更事項が、国家が規定して実施する特別管理措置に関連する場合、外商投資の法律法規に沿って審査認可手続きを行う。
・ 外商投資企業またはその投資者が提出した「外商投資企業設立備案申請書」または「外商投資企業変更備案申請書」及び関連資料をオンラインで提出した後、備案機関は形式上の完全性や正確性の確認を行い、備案範囲に該当する場合、3営業日内に備案を完了させる。備案範囲に該当しない場合、3営業日内に外商投資企業または投資者にオンラインで通知し、関連部門にも通知し処理する。
・ 備案情報に不備がある場合またはその経営範囲について追加説明が必要な場合、15営業日内に関連情報を追加で提示するようオンラインで通知する。外商投資企業またはその投資者が期限内に関連情報を提示できない場合、備案機関は外商投資企業またはその投資者に備案が未完了であることをオンラインで通知する。
・ 外商投資企業またはその投資者は同一の設立または変更事項につき別途備案申請を提出でき、既に設立または変更事項を実施した場合、5営業日内に別途提出しなければならない。
・ 外商投資企業またはその投資者は総合管理システムにおいて結果を知ることができる。
・ 備案完了後、外商投資企業またはその投資者は「外商投資企業の企業名称事前承認資料」(コピー)または「外商投資企業営業許可証」(コピー)を備案機関に提出して下記の内容を記載した「外商投資企業設立備案受領書」または「外商投資企業変更備案受領書」を受領できる。
①外商投資企業またはその投資者が既に提出した設立または変更の備案申告資料及び形式要求に符合しているかどうか
②備案する外商投資企業の設立または変更事項
③当該外商投資企業の設立または変更事項が備案範囲に属すること
④国家が規定する輸入設備の税金減免範囲に属するかどうか
○商務主管部門及びその他の主管部門は監督検査において把握した外商投資企業またはその投資者の信用情報を商務部外商投資信用ファイルシステムに入力する。本弁法の規定に沿って備案がなされていない、事実ではない、備案受領書の偽造・変造・貸し借り・譲渡を行った、監督検査に協力しない、商務主管部門の行政処罰を履行しない場合、商務主管部門は関連する信用情報につき商務部投資情報公示システムプラットフォームを通じて公示する。なお、個人のプライバシーや商業秘密等は公示しない。
○処罰
・ 外商投資企業またはその投資者が期限内に備案を行わない、または重大な漏れがあった場合、商務主管部門が期限を設けて改正命令を出し、期限内に改正されない、または状況が由々しい場合、3万元以下の過料を科す。
・ 外商投資企業またはその投資者が備案義務履行の逃避、状況の隠蔽、誤解を招く情報または虚偽の情報の提供、備案受領書の偽造・変造・貸し借り・譲渡があった場合、商務主管部門が期限を設けて改正命令を出し、3万元以下の過料を科す。また、その他の法律法規に違反する場合、関連部門からその法律責任を追及される。
・ 外商投資企業またはその投資者が審査認可を得ずに国家が規定して実施する特別措置に記載された制限投資領域にて投資活動を展開した場合、商務主管部門は期限を設けて改正命令を出し、3万元以下の過料を科す。また、その他の法律法規に違反する場合、関連部門からその法律責任を追及される。
・ 外商投資企業またはその投資者が商務主管部門の監督検査を逃避・拒否した場合、商務主管部門は1万元以下の過料を科すことができる。
○本弁法実施前に商務主管部門で既に外商投資企業の設立及び変更事項が受理され、審査認可が未完了でかつ備案範囲に属する場合、審査認可手続きを中止し、外商投資企業またはその投資者は本弁法により備案手続きを行う。
————————————————————————————————-
当該弁法により、これまで自由貿易試験区で行われていた備案管理(ネガティブリスト以外の項目)を自由貿易区以外でも実施することになりました。
これまで、外商投資企業の設立や変更は審査認可制であったため、最初の商務部門の申請で、かなり細かな資料が要求され、資料の内容や決議書等が細かくチェックされ、最終的に「批准証書」が発行されていました。
今回は、これが備案制へ変更になったため、商務部門への提出資料が減ります。また、「批准証書」の代わりに備案したことの証明書を取得します。今までは商務部門での審査期間が数週間掛かっていた案件について3営業日にまで短縮されます。(ただし、新たに開始されたばかりで実際のところ一部の窓口ではスムーズに動いていないようにも見受けられます。)
しかしながら、設立や変更手続きにおける商務部門の次のステップである工商部門では、書類のチェック等は従来通り行われますので、商務部門でのチェックが簡略された分、工商部門で書類の修正等の指摘を受ける可能性があります。混み具合や修正作業によっては、工商部門での処理が長引く可能性も否定できません。簡略化されたとはいえ、設立や変更等を行われる会社は早めにご準備いただいた方が良いと考えられます。