FCG集团的通讯
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04/01/17 Saturday中国
「特別納税調査調整及び相互協議手続管理弁法」公布に関する公告について
2017年3月17日付けで中国の国家税務総局より「『特別納税調査調整及び相互協議手続管理弁法』公布に関する公告」(国家税務総局公告2017年第6号)が公布されました。新しい弁法は2017年5月1日より施行されます。つきましては、本公告並びに2017年4月1日付けで国家税務総局が発表した解釈及び国家税務総局の国際税務司の質疑応答内容に基づき、下記の通りご紹介します。(下記は主として中国語を原文とした日本語参照訳となります。翻訳には正確を期しておりますが、中国語原文との間に解釈の相違がある場合、中国語原文を依拠としてくださいますようお願いいたします。)
○新弁法に添付されている所定の書式(2017年3月17日付けの公告参照)
新弁法には下記の書式が添付されている。
○新弁法公布により廃止される主な規定(2017年3月17日付けの公告・新弁法第62条参照)
新弁法の公布により2017年5月1日に下記の規定が廃止される。
1.「特別納税調整実施弁法(試行)」(国税発〔2009〕2号)第4章・第5章・第11章・第12章
2.「国家税務総局関於加強転譲定価跟踪管理有関問題的通知」(国税函〔2009〕188号)
3.「国家税務総局関於強化跨境関連交易監控和調査的通知」(国税函〔2009〕363号)
4.「国家税務総局関於特別納税調整監控管理有関問題的公告」(国家税務総局公告2014年第54号)
5.「国家税務総局関於企業向境外関連方支付費用有関企業所得税問題的公告」(国家税務総局公告2015年第16号)
○新弁法公布の背景(2017年4月1日付けの質疑応答参照)
国家税務総局は2009年初めに「特別納税調整実施弁法(試行)」(国税発〔2009〕2号)を公布して、特別納税調査及び調整手続に対して規範化を進め、今で既に8年経過した。新弁法は国内及び国際経済環境の変化及び多年に渡る特別納税調査調整業務の経験を結び合せて、上記2号通達中の特別納税調査調整の関連内容に対して補足的な修正及び細分化を行い、さらに踏込んで税務機関の調査調整手続・調整方法等の関連業務の内容を明晰にしている。新弁法は納税者の合法的な権益も十分に考慮し、特別納税調整相互協議の業務の流れ及び内容の規範化をさらに進めている。
同時に新弁法は現在の国際税収の新しい形勢も考慮して、G20が先頭に立って提唱する「利益を生み出す経済活動及び価値創造の場において徴税する」という総原則に基づき、新しい国際税収規則及びG20の税制改革の成果を十分に参考にしている。
○特別納税調査調整に関する新弁法と原規定との主な違い
(2017年4月1日付けの解釈及び新弁法第32条・第34条・第36条参照) 新弁法はG20の国際税制改革の最新の成果を吸収し、中国の税収の実践的な経験を踏まえて、特別納税調査調整に対してさらに改善を図るが、具体的には下記が含まれる。
1.特別納税調査調整手続規範のさらなる明確化
2.無形資産・役務の関連者取引の関連規定の追加
<無形資産取引>に対しては、無形資産の収益分配が関連者取引の各々の無形資産の価値に対する貢献度と対応しているものとすることを強調している。
<役務取引>に対しては、独立企業間原則に明らかに合致している関連者との役務取引は受益性の役務取引であるものとして、かつ非関連者の同じまたは類似の状況下における経営の慣例及び公平な取引価格に基づき価格決定を行う。受益性の役務の内容を明確にして、非受益性の役務の具体的な状況に対して説明を行う。
3.特別納税調査中の重要事項に対するさらなる明確化
税務機関が被調査企業の関連者取引を分析評価する時には、機能が相対的に単純な一方を被テスト対象に選択する。税務機関が比較性分析を行う時、公開されている情報を優先的に使用するが、非公開情報を使用することもでき、税務機関は比較可能な利益水準または比較可能な価格に基づき被調査企業の各年度の関連者取引に対して各年度のテスト調整等を行うものとする。
全体的に見ると、新弁法の特別納税調査調整に対する規定はさらにはっきりとして透明化し、内容はさらに全面的なものとなり、新しい国際税収の形勢にも合致している。
○単一機能で欠損となった企業の同期文書準備の必要性
(2017年4月1日付けの解釈及び質疑応答並びに新弁法第28条参照)
新弁法は企業が中国国外の関連者のために来料加工もしくは進料加工等の単一の生産業務に従事するまたは販売・契約に基づく研究開発業務に従事する場合、原則として妥当な利益水準を保つものとすることを規定している。上述の企業に欠損状態が生じた場合、「国家税務総局関於完善関連申報和同期資料管理有関事項的公告」(国家税務総局公告2016年第42号)中の同期文書準備の基準に達するかどうかに関わらず、欠損年度について同期文書のローカルファイルを準備するものとする。税務機関は上述の企業のローカルファイルを重点的に査定し、モニタリング管理を強化する。
○移転価格調査による調整後の追跡管理
(2017年4月1日付けの質疑応答及び新弁法第62条参照) 「特別納税調整実施弁法(試行)」(国税発〔2009〕2号)の第45条は、「税務機関は企業に対して移転価格の納税調整実施後、企業が調整された最後の年度の次年度より起算して5年内の追跡管理を行うものとする。」と規定している。しかし、新弁法は5年の追跡管理期間の規定を取消し、税務機関が関連申告の査定及び同期文書の管理と利益水準のモニタリング等の手段を通じて、企業に対して特別納税調整のモニタリング管理を実施することを強調している。ここには移転価格調査調整が実施された企業を含む。つまり、移転価格調査調整が実施された企業に対して、税務機関は依然として特別納税調整のモニタリング管理を実施し、かつモニタリング管理期間は5年に限らない。
(補足:上記の第45条は2017年5月1日に廃止される第5章中の条文である。)
○非居住者企業に対する特別納税調査の有無
(2017年4月1日付けの質疑応答及び新弁法第5条参照) 「中華人民共和国企業所得税法」の規定に基づき、税務機関は非居住者企業に対して特別納税調査を実施できる。税務機関は非居住者企業に対して特別納税調査を実施して捜査すべき案件とする場合、中国国内の関連者または調査と関連する中国国内企業に委託して「税務検査通知書(一)」を送達できる。
○税務機関が既に税引前で控除した金額全額に基づき特別納税調整を実施できる状況
(2017年4月1日付けの解釈及び新弁法第32条・第33条・第35条・第37条参照)
新弁法は下記の状況について明確にして、独立企業間原則に合致しない場合、税務機関は既に税引前で控除した金額全額に基づき特別納税調整を実施できる。