Newsletter of FCG Group.
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Wednesday November 1st, 2017China
「非居住者企業の所得税の源泉徴収関連問題に関する公告」について
国家税務総局は2017年10月17日付けで「非居住者企業の所得税の源泉徴収関連問題に関する公告」(国家税務総局公告2017年第37号、以下「本公告」と簡略)を公布しました。本公告の公布により、非居住者企業の所得税の源泉徴収に関する規定は多岐に渡り改正されますので、今回はその概要の一部をご紹介します。
本公告は2017年12月1日からの施行となりますが、一部、本公告施行前に既に発生しているものの未処理となっている所得にも適用可能となります。また、2017年12月1日から「国家税務総局が印刷発行する『非居住者企業の所得税の源泉徴収管理暫定弁法』の通知」(国税発〔2009〕3号)及び「国家税務総局の非居住者企業の持分譲渡所得の企業所得税管理強化に関する通知」(国税函〔2009〕698号)のそれぞれ全文及び他にも複数の関連規定が廃止となります。
本公告制定の主要な目的の1つとして税務上の手続きの負担軽減が挙げられますが、具体的な措置には契約書の備案(届出)の取消しもあります。従来は源泉徴収義務者が非居住者企業と源泉徴収を要する契約を締結する場合、その都度、契約締結(契約の修正・追加・延期を含む。)日より30日内にその管轄税務機関に「企業所得税の源泉徴収契約備案登記表」、契約書のコピー及びその関連資料を提示するものとしていましたが、この規定は廃止となります。また、支払いが複数回に及ぶ契約項目に対して、源泉徴収義務者は契約の最終支払日よりも前の15日内に、管轄税務機関に契約の全ての支払明細・前期の源泉徴収表及び納税完了証憑等の資料を提示して、源泉徴収税額の清算手続きを実施していましたが、この規定も廃止となります。
しかしながら、「国家税務総局・国家外貨管理局のサービス貿易等の項目の対外支払いの税務備案に関連する問題に関する公告」(国家税務総局・国家外貨管理局公告2013年第40号)の一部規定に対する契約資料の提供は引続き必要だと考えられます。また、管轄税務機関は納税者・源泉徴収義務者・その他状況を知っている関連者に源泉徴収すべき税額と関連する契約書及びその他の関連資料を提供するように要求できますので、源泉徴収者は源泉徴収税額に関する帳簿及び契約資料等をファイリングして非居住者企業の所得税の源泉徴収の状況を正確に記録しておく必要があると考えられます。
なお、本公告は非居住者企業の中国国内での請負工事作業及び役務提供に伴う所得に対する源泉徴収には適用されません。また、本公告と租税条約及びその関連規定との間に相違がある場合、租税条約及びその関連規定に基づきます。
その他、本公告は配当金支払時の源泉徴収義務発生日を実際の配当金支払日と定めたり、課税所得計算時の状況別の具体的な為替レートに加え、持分譲渡所得の課税所得の計算等についても規定しています。