FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2018年01月01日中国
中国における環境保護対策のための新しい税法規定について
中国においては数多くの新しい規定が2018年1月1日から施行されます。環境保護に関連しては、下記のような新しい税法規定があります。
上記の規定中、今回は<中華人民共和国環境保護税法>の詳細を下記の通りご紹介します。
・本法制定の目的(第1条)
環境の保護と改善のための汚染物排出の削減及び生態文明建設の推進
・環境保護税の納税者(第2条)
中華人民共和国の領域及び中華人民共和国が管轄するその他の海域において、環境に対して課税汚染物を直接排出する企業事業単位及びその他の生産経営者
・課税汚染物(第3条)
本法に添付の「環境保護税課税項目税額表」・「課税汚染物と当量値表」が規定する大気汚染物・水質汚染物・固体廃物・騒音
・汚染当量の含意(第25条)
汚染物または汚染排出活動の環境に対する有害の程度及び処理技術の経済性に基づき、異なる汚染物の環境汚染に対する総合的な指標または計量の単位(同一媒質の相同する汚染当量の異なる汚染物の汚染の程度は基本的に同じである。)
・環境に対して課税汚染物を直接排出することに該当せず環境保護税を納付しない状況(第4条・第5条)
(1)企業事業単位とその他の生産経営者が法により設立する汚水集中処理場・生活ゴミ集中処理場が課税汚染物を排出する場合
※国家と地方が規定する排出基準を超えて環境に対して課税汚染物を排出する場合は納税するものとする。
(2)企業事業単位とその他の生産経営者が国家と地方の環境保護基準に合致する施設または場所にて固体廃物を蓄えるまたは処理する場合
※国家と地方の環境保護基準を超えて環境に対して課税汚染物を排出する場合は納税するものとする。
・課税汚染物の課税項目と税額(第6条)
本法に添付の「環境保護税課税項目税額表」に基づく。
・課税汚染物の納付すべき税額の計算の基準(第7条・第8条)
(1)課税大気汚染物は汚染物の排出量が換算する汚染当量数に基づき確定
(2)課税水質汚染物は汚染物の排出量が換算する汚染当量数に基づき確定
(3)課税固体廃物は固体廃物の排出量に基づき確定
(4)課税騒音は国家が規定する基準を超えるデシベル数に基づき確定
課税大気汚染物と課税水質汚染物の汚染当量数は当該汚染物の排出量を汚染物の当量値で除して計算する。各種の課税大気汚染物と課税水質汚染物の具体的な汚染当量値は本法に添付の「環境保護税課税項目税額表」に基づく。
・環境保護税の納付すべき税額の計算方法(第11条)
(1)課税大気汚染物の納付すべき税額=汚染当量数×具体的な適用税額
(2)課税水質汚染物の納付すべき税額=汚染当量数×具体的な適用税額
(3)課税固体廃物の納付すべき税額=固体廃物の排出量×具体的な適用税額
(4)課税騒音の納付すべき税額=国家が規定する基準を超えるデシベル数に対する具体的な適用税額
・暫定的に環境保護税が徴収免除となる状況(第12条)
(1)農業生産(一定規模以上の養殖は含まない。)が課税汚染物を排出する場合
(2)機動車(自動車等)・鉄路機関車・非道路移動機械・船舶・航空器等の流動汚染源が課税汚染物を排出する場合
(3)法により設立する都市農村の汚染集中処理場・生活ゴミ集中処理場が相応する課税汚染物を排出して国家と地方が規定する排出基準を超えない場合
(4)納税者が総合的に利用する固体廃物で国家と地方の環境保護基準に合致する場合
(5)国務院が免税を承認するその他の状況
・減税対象(第13条)
納税者が排出する課税大気汚染物または課税水質汚染物の濃度の値が国家と地方が規定する汚染物排出基準の30%を下回る場合は75%減・50%を下回る場合は50%減にて環境保護税を徴収
・環境保護の主管部門及び税務機関による管理(第14条・第15条・第20条)
~環境保護の主管部門は~
本法及び環境保護に関連する規定に基づき汚染物の検査測定管理に対して責任を負う。汚染排出企業等の汚染排出許可・汚染物排出データ・環境に関する違法・行政処罰の状況等の環境保護関連情報を定期的に税務機関へ送るものとする。
~税務機関は~
中華人民共和国税収徴収管理法及び本法の関連規定に基づき環境保護税の徴収及び管理を行う。納税者の申告納税・税金の入金・減免税額・納税不足額・リスクに対する懸念点等の環境保護税の関連情報を定期的に環境保護の主管部門へ送るものとする。納税者の申告納税データを環境保護の主管部門から送られる関連データと比較照合するものとする。納税者の申告納税データ中の異常または納税者が規定の期限に基づき申告納税を行っていないことを発見した場合、環境保護の主管部門に二重チェックを依頼でき、環境保護の主管部門が税務機関のデータを受領してから15日内に税務機関に対して二重チェックの意見を提示して、環境保護の主管部門が二重チェックしたデータに基づき納税者の納付すべき税額を調整するものとする。
~環境保護の主管部門及び税務機関は~
税関連情報共有のプラットフォームと業務協力の体制を整えるものとする。
・納税義務の発生のタイミング(第16条)…課税汚染物排出の当日
・申告納税(第17条・第18条・第19条)
納税者は課税汚染物を排出する場所の税務機関に対して環境保護税を申告納付するものとする。
環境保護税は月毎に計算して、各四半期終了後15日内に申告納付するものとする。
一定期間毎に計算して納めることが難しい場合、その都度申告納税できる。納税者がその都度申告納税する場合、納税義務の発生日より15日内に申告納税するものとする。
納税者の申告納税時、税務機関に対して排出する課税汚染物の種類と量・大気汚染物と水質汚染物の濃度及び税務機関が実際の必要性に応じて要求するその他の納税資料を提出して報告するものとする。
・本法の施行日(第28条)…2018年1月1日
付表1 環境保護税課税項目税額表(抜粋)
(上記は主として中国語を原文とした日本語参照訳となります。翻訳には正確を期しておりますが、中国語原文との間に解釈の相違があ頭る場合、中国語原文を依拠としてくださいますようお願いいたします。)