FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2018年11月01日中国
中国国外投資家の利益配当による直接投資には暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の適用範囲拡大について
2018年9月29日付けで財政部・国家税務総局・国家発展改革委員会・商務部より「国外投資家の利益配当による直接投資には暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の適用範囲拡大に関する通知」(財税〔2018〕102号)が公布され、2018年1月1日に遡って適用されることになりました。この新規定に基づき、納税の繰延べが可能となる国外投資家の中国国内居住者企業からの利益配当による直接投資の範囲が全ての非禁止外商投資のプロジェクト及び分野にまで拡大されました。今回は本通知をご紹介します。
●本通知の公布の目的
国外投資家による中国投資のさらなる促進
●国外投資家の中国国内居住者企業から分配される利益による国内直接投資への暫定的な源泉所得税徴収繰延べ政策の適用範囲
外商投資奨励類プロジェクトから全ての非禁止外商投資のプロジェクト及び分野に拡大
●本通知中の「国外投資家」及び「中国国内居住者企業」の定義
「国外投資家」とは中華人民共和国企業所得税法第3条第3項の規定を適用する非居住者企業を指す。「中国国内居住者企業」とは法により中国国内で設立する居住者企業を指す。
~中華人民共和国企業所得税法~
第3条第3項 非居住者企業が中国国内に機構・場所を設置していない場合、または機構・場所を設置しているが取得する所得とその機構・場所が実質的に関連しない場合、その中国国内源泉所得について企業所得税を納めなければならない。
●国外投資家の暫定的な源泉所得税の徴収繰延べにあたり同時に満たすべき条件
(1) 国外投資家が獲得する利益により行う直接投資については、国外投資家が獲得する利益により行う増資・新設・持分買収等の権益性投資行為を含み、具体的には下記を指す。なお、上場企業の株式の新規増加・振替増加・買収は含まない(条件に合致する戦略投資を除く)。
1. 中国国内居住者企業の払込資本金または資本剰余金の新規増加または振替増加
2. 中国国内における居住者企業の新設投資
3. 非関連者からの中国国内居住者企業の持分買収
4. 財政部・国家税務総局の規定するその他の方法
国外投資家が上記の投資行為を採用して投資する企業を「被投資企業」と総称する。
(2)国外投資家が獲得する利益が中国国内居住者企業による投資家への実際の配当で既に実現した留保利益から形成する配当等の権益性投資収益に属す。
(3)国外投資家が直接投資に用いる利益を現金形式により支払う場合、関連する代金は利益配当企業の口座から被投資企業または持分譲渡者の口座に直接振替え、直接投資前に国内外のその他の口座へ移してはならない。国外投資家が直接投資に用いる利益を現物・有価証券等の非現金形式により支払う場合、関連する資産の所有権は利益配当企業から被投資企業または持分譲渡者に直接移り、直接投資前にその他の企業・個人が代わりに保有または臨時的に保有してはならない。
●国外投資家が上記の条件を同時に満たす場合
税収管理の要求に基づき申告を行うとともに事実通りに利益配当企業にその政策の条件に合致する資料を提供しなければならない。利益配当企業が適切な審査を経た後、暫定的に中華人民共和国企業所得税法第37条の規定する源泉所得税の徴収を行わずに、その主管税務機関に備案手続を履行できる。
~中華人民共和国企業所得税法~
第37条 非居住者企業が取得する本法第3条第3項の規定する所得の納付すべき所得税に対して、源泉徴収を実施し、支払者を源泉徴収義務者とする。税額は源泉徴収義務者の毎回の支払いまたは支払期限の到来時に、支払う代金または期限が到来して支払うべき代金から源泉徴収する。
●税務部門の後続的な管理の強化
国外投資家が既に本通知の規定する源泉所得税を徴収しない政策を享受していて、税務部門の後続的な管理を経て規定の条件に合致しないことが確認される場合、利益配当企業に属す責任を除き、国外投資家が規定に基づき企業所得税を申告納付していないものとみなし、法により納税遅延の責任を追及し、税額の遅延納付期限は関連する利益の支払日より起算して計算する。
●国外投資家が本通知の規定に基づき暫定的に源泉所得税を徴収しない政策を享受できるが実際には享受していない場合
実際の関連する税額の納付日より起算して3年内に当該政策の追加享受を申請して既に納付した税額の還付を受けられる。
●国外投資家が持分譲渡・買戻・清算等の方法を通じて実際に回収して暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の待遇を享受する直接投資に対する申告・追加納付
実際に相応する代金を受領して7日内に規定の手順に従い税務部門に繰延税額を申告・追加納付する。
●国外投資家が本通知の規定する暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の待遇を享受した後、被投資企業に発生する再編が特殊性再編の条件に合致し、かつ実際に特殊性再編に基づき税務処理を行う場合
継続して暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の待遇を享受でき、繰延税額の追加納付を行わない。
●本通知の公布に伴い廃止となる規定
「財政部・国家税務総局・国家発展改革委員会・商務部による国外投資家の利益配当による直接投資には暫定的に源泉所得税を徴収しない政策の問題に関する通知」(財税〔2017〕88号)
●本通知の施行日
2018年1月1日からとし、国外投資家が2018年1月1日以降に取得する配当等の権益性投資収益は本通知を適用でき、既に納付した税額も本通知の規定に基づき処理する。