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FCCニュースレター(中華圏)(No.133)

2019年11月04日中国・香港

(中国本土)生活サービス業の仕入税額控除加算の拡大

国家税務総局は、2019年9月30日付で、生活サービス業に属する納税者に対する仕入税額控除の拡大政策を公表しました(財政部 税務総局公告2019年第87号)。生活サービス業の仕入税額控除については、2019年3月20日付で公表された「増値税改革の深化に関連する政策に関する公告」(財政部 税務総局 税関総署公告2019年第39号)により、増値税減税政策の一環として、10%の加算控除できるとされていますが、今回の公告により追加で5%の加算控除が可能となり、減税措置がさらに拡大されることとなります。
この政策の適用開始時期や適用要件等についての詳細は、以下の通りです。

 

1. 適用期間は2019年10月1日から2021年12月31日までの時限措置
2. 生活サービス業納税者とは、生活サービスによる売上高の総売上高に占める比率が50%を超える納税者をいう。生活サービス業の具体的な範囲は、「販売サービス、無形資産、不動産注釈」(財政部 国家税務総局公告2016年第36号)に規定されており、文化芸術、体育、教育・医療、旅行・娯楽、飲食・宿泊、住民日常、その他の生活サービスが対象となる。
3. 2019年9月30日までに設立登記された納税者は、2018年10月から2019年9月までの売上高(営業期間が12ヶ月未満の場合、実際の経営期間の売上高)が上記の規定条件に適合している場合、2019年10月1日から15%の加算控除を適用することができる。2019年10月1日以降に設立登記された納税者は、設立の日から3ヶ月の売上高が上記の規定条件に適合している場合、一般納税者として登録された日から15%の加算控除を適用することができる。
4. 納税者がこの15%の加算控除を適用することが確定した場合、その年度内は変更することができない。その後の年度に適用できるかどうかは、2.に記載の規定条件に基づき、前年度の売上高から計算して決定される。

5. 生活サービス業の納税者と認定された場合、当該納税者は15%の加算控除を計上する。現行の規定により、売上税額から控除できない仕入税額は、加算控除しない。すでに15%の加算控除を適用した仕入税額のうち、所定の規定に従って仕入税額から転出した場合、転出したその月に加算控除について相当の調整を行い、遡及して修正する必要はない。計算式は以下の通りである。
当期計上加算控除額=当期仕入税額控除額×15%
当期の控除可能加算額=前期末加算の控除額残高+当期計上加算控除額-当期加算調整控除額
6. 規定に適合する生活サービス業納税者は、年度初めに15%の加算減額政策の適用を確認する際、電子税務局(または税金サービス庁に出向く)を通じて、「適用15%加算減額政策の声明」を提出する。

 

 

(香港)大湾区の個人所得税優遇政策について

広東省財政庁と国家税務総局広東省税務局は、2019年6月22日付けで「大湾区の個人所得税優遇政策の実施徹底に関する通知」(粤財税〔2019〕2号)を公布しました。詳細は以下の通りです。

 

1. 大湾区内で就労する外国ハイエンド人材及び不足人材が珠江デルタ9都市に納付した個人所得税額のうち、課税所得額の15%を超過した部分につき全額補助金として支給する。
※珠江デルタ9都市とは広東省広州市、深圳市、珠海市、仏山市、恵州市、東莞市、中山市、江門市、肇慶市を指す。
2. 本通知における所得は、中華人民共和国個人所得税法に規定される以下のものを指す。
(1) 給与
(2) 役務報酬
(3) 原稿報酬
(4) ロイヤリティ
(5) 経営報酬
(6) 人材プロジェクトの入選による助成金所得
3. 補助金は個人所得の項目ごとに計算され(総合所得の場合は総合計算)、年1回支給される。人材が2か所以上の地域から上記2. に該当する所得を得ている場合、補助金は属地主義に基づき合理的に分配される。

4. 大湾区内で就労する外国ハイエンド人材及び不足人材として認められるかどうかの判定は、自己申告後、客観的な原則に基づいて行われる。
(1) 基本条件(以下すべてを満たすこと)
(i) 香港、マカオの永久居民、入境計画条件を満たした香港居民(優秀人材、専門家、起業家など)、台湾居民、外国籍者ならびに海外長期滞在資格をもつ帰国留学生および海外華僑
(ii) 珠江デルタ9都市で就労し、法に従い納税すること
(iii) 法規制、研究倫理および科学研究の誠実を順守すること
(2) その他の条件(以下いずれかひとつを満たすこと)
(i) 国、省、都市レベルの重要人材プロジェクトの入選者、広東省「人材優粤カー ド」の取得者、外国人就労許可証(A類)或いは外国ハイエンド人材確認書の保持者、並びに国、省、都市が認定するその他の外国ハイエンド人材
(ii) 国、省、都市レベルの重要革新プラットフォームの科学研究チームメンバー、高等教育機関、研究機関、病院などの関連機関の科学研究チームメンバー、広東省の重点発展産業、重点分野で就労、起業する技術的バックボーンを有する人材および優秀な管理スキルを有する人材、珠江デルタ9都市が認定するその他特殊技能を有する不足人材
※外国ハイエンド人材及び不足人材の具体的な認定基準および認定方法は、各都市が現地の実情に基づいて決定する。

5. ハイエンド人材については各都市の科学技術(外国人専門家)部が、不足人材については人力資源社会保障部がそれぞれ認定機関となる。補助金申請受理、審査および支給は財政部が窓口となるが、審査については財務部が科学技術(外国人専家局)部、人力資源社会保障部および税務部をリードする形で行われる。申請は申請者本人もしくは雇用主による提出が可能だが、雇用主による提出が推奨される。
珠江デルタ9都市は本通知の要求に従い、現地の実情に基づく人材認定基準および補助金の支給方法を7月末までに省レベルの財政庁、科学技術庁(外国人専家局)、人力資源社会保障庁に報告し、実施する。省レベルの上記機関および税務局は人材認定基準や補助金支給の流れが各都市内で統一されるよう指導する。
6. 申請者に法令違反や補助金の虚偽申請などがあった場合、調査後優遇政策の適用は撤回され、支給済みの補助金は回収される。犯罪の疑いがある場合は司法機関により刑事責任を追及する。
7. 本通知は2019年1月1日までさかのぼって適用され、試行期間は1年間とする。本通知の公布に伴い、「『広東省財務庁による、珠海市横琴新区で就労する香港、マカオ居民の個人所得税負担額の差額を補助金として支給する暫定管理法』に関する通知」(粤財法〔2012〕93号)は、2019年1月1日にさかのぼって廃止となる。

 

 

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