FCG集团的通讯
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12/01/12 Saturday日本
アジア諸国の課税姿勢
明けましておめでとうございます。2013年が明けました。日本では昨年末に発足した新内閣が経済再 生に全力で取り組む姿勢を示すとともに、新たな政策を打ち出し始めたところです。 さて、国内景気の回復が喫緊の課題であることは間違いありませんが、アジアの動向からも目が離せ ません。先日の世界銀行の発表では、2013年の中国および中国を含む東アジア途上国の経済成長率の 上昇修正が示され、世界経済情勢は芳しくないものの、アジア地域経済は底堅さを保っているとの指摘 がなされています。世界銀行はこの「東アジア・太平洋諸国の経済見通し」の中で『当該地域は2013年、 引き続き強い内需や、世界経済の穏やかな回復の恩恵を享受し、それが2014年も続くと予想する』とし 『域内の大半の国は、強固なマクロ経済ファンダメンタルズを維持しており、外部からもたらされるショック も克服できるはずだ』と分析しています。ただし、中国で投資が急減速したり、米国の財政協議が年内に 決着しないなどのリスクに留意する必要があるとも指摘しています。いずれにせよ、今回、中国の2013年 成長率を8.4%、東アジア途上国の2013年成長率を7.9%と上方修正していることからも、アジア地域の経 済規模の拡大基調に変化はないと言えるでしょう。 ところで、このように活況を呈するアジア経済ですが、アジア各国が力をつけてくるにつれて、その国に 進出している日本企業にとって税務面で思わぬ負担を強いられるケースが目立つようになってきました。 報道されているだけでも、インドネシアの裁判所で、ダイハツ工業の現地の製造子会社が、当局から約 58億円の法人税の支払いを突然命じられ、同国の税務当局と争っている例、スマートフォン向け小型 モーターを製造するシコー社の上海事業所が、現地子会社の利益を意図的に抑えていると疑われ、地元 税務署による移転価格税制の調査を受けている例など枚挙にいとまがありません。 このような事情の背景には、新興国において税制優遇による工場誘致が一巡し、税制の役割が変わっ てきたことが挙げられます。「誘致から回収へ」、即ち、アジア各国の課税姿勢が、自国で生まれた企業 利益を自国で徴収するというスタンスに変わり始めているのです。このように課税当局は、自国に進出し ている外国企業を対象に課税強化の傾向を強めていますが、特にアジア地域で稼いでいる日本企業、し かも、当地での税務対策を講じる余裕のない中堅企業は、当局の標的とされやすいと言われています。 現地での課税が生じてしまうと、日本との2重課税の問題が発生し、解決までに費用と労力を費やすこと になりますし、その負担は決して軽いものではありません。 とかく、税務戦略・税務対策と言うと日本国内での税務処理の問題に目が向いてしまいがちですが、ア ジアに展開している、若しくは展開しようとしている企業にとって、現地での税務コスト・税務リスクをしっ かりとコントロールしなければならない局面に突入しているということを肝に銘じておくべきではないでしょ うか。