採用情報
グローバル投資プラットフォーム
SHARE
  • 分享至Facebook
  • Tweet
LANGUAGE
CONTACT US

News/Newsletter

FCG集团的通讯

FCG ニュースレター 東南アジア・インド・オーストラリア(2020年9月)

09/28/20 Monday东南亚等

对不起,此内容只适用于JP。 For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

フェアコンサルティンググループは、世界15カ国・26のグローバル拠点を、提携ではなくフェアコンサルティングの直営拠点として展開しています。
弊社展開国の中から、東南アジア・インド・オーストラリア各国の情報を本ニュースレターに集約しております。現地の情報収集目的などに是非ご活用ください。

今月の掲載国は、以下のとおりです。(五十音順)

インド、インドネシア、オーストラリア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア

 


インド

 

インドにおける消費者保護は、これまで1986年に成立したCONSUMER PROTECTION ACT, 1986(「旧消費者保護法」又は「旧法」)によって図られていましたが、インド消費者省の2020年7月15日付け通達および7月24日付けにより、新法であるTHE CONSUMER PROTECTION ACT, 2019 (「新消費者保護法」又は「新法」)が発効しました。本稿では、新消費者保護制度の概略について解説します。

 

<新消費者保護法の概要>
日本の消費者保護法が実体法的側面に重きが置かれているのに対して、インドの消費者保護法は、消費者問題に関する特別な紛争解決手続きを規定することで消費者の保護を図っています。インドでは通常認められていない懲罰的賠償や消費者のクラスアクションといった企業責任を加重させる制度を導入している点に特徴があります。
以下、新法上、消費者保護制度によって、誰が、どのような場合に、どのような主張を行うことができるのか整理します。

 

(1) 申立人
新消費者保護法は、同法が規定する特別手続きを利用できる申立人(COMPLAINANT )の範囲として、消費者(CONSUMER)を含めています。消費者には、対価を支払って商品を購入したものや購入者に使用を許諾された商品のユーザーが含まれますが、再販売目的といった商業目的で商品を購入したものは消費者に含まれないとされています。また、消費者にはサービスのユーザーや、当該ユーザーからサービスの利用を許諾されたものを含みますが、商業目的でサービスを利用するものは消費者から除外されています。
このように、新消費者保護法は商業目的がある場合を除いて、広く商品購入者又はサービス利用者が消費者に含まれると規定し、申立人適格を認めています。

 

(2) 審理対象となる苦情
新消費者保護法は、消費者が申し立てることのできる苦情(COMPLAINT)として、以下の事項を規定します。
(I) トレーダー又はサービスプロバイダーによる不公正取引(UNFAIR TRADE PRACTICE)又は制限的取引(RESTRICTIVE TRADE PRACTICE)
なお、ここにいう不公正取引として、優良誤認表示といった不当表示又は不実表示、販売する意図のない割引価格の提示、商品コストの上昇を意図した商品の貯蔵、破棄、販売拒絶や模造品の販売等が列挙されています。また、新法では、(A)請求書やキャッシュメモの不交付、(B)一定期間内における返品拒否、欠陥製品の取り下げ拒否、欠陥サービスの停止拒否、返金拒否(C)法令に従わない顧客個人情報の第三者に対する開示が不公正取引に該当するものと改正されています。
「制限的取引」とは消費者に不当なコストや制限を課す価格操作や配送条件の設定等を意図した取引を意味し、配送遅延のコストを消費者に負担させる行為や、特定の商品購入の条件として他の商品の購入を要求する行為が含まれます。
(II) 商品の欠陥
(III) サービスの欠陥
(IV) トレーダー又はサービスプロバイダーによる法定価格、商品のパッケージ記載価格又は当事者が合意した価格等を超える代金請求
(V) 法が規定する安全基準に違反し、その公衆に対する販売が生命又は安全に危害を及ぼしうる商品、又はトレーダーが通常要求される注意を払えば公衆に対する危険性が予見可能であって、その公衆に対する販売が生命又は安全に危害を及ぼしうる商品
(VI) サービスプロバイダーが通常要求される注意を払えば公衆に対する危険性が予見可能であって、その公衆に対するサービスの提供が公衆の生命又は安全に危害を及ぼしうるサービス
(VII) 製造業者、製品販売者または製品サービス提供者に対する製造物責任の請求

 

(3) 地域コミッション等における審理
新消費者保護法は、消費者紛争を解決する特別な紛争解決機関として地域コミッション、州コミッションおよびナショナル・コミッションを設けています。係争額によって管轄が決められており、地域コミッションはINR10,000,000以下、州コミッションINR10,000,000超 INR100,000,000以下、ナショナル・コミッションINR100,000,000超の案件について管轄するものとされています。消費者紛争を抱える消費者は、(2)の苦情を、対応するコミッションに申立てることになります。なお、地域コミッションにおいて下された命令に対しては州コミッションに、州コミッションにおいて下された命令はナショナル・コミッションにそれぞれ上訴可能です。
審理の結果、苦情に理由があると判断された場合、地域コミッション等は、以下の一つ又は複数の命令を下します(新消費者保護法39)。

(A) 試験所によって認定された係争商品に存在する欠陥の除去
(B) 欠陥の存在しない新品の類似商品との交換
(C) 申立人に対する、申立人が支払った代金等の返金
(D) 相手方の過失によって消費者に発生した損失又は傷害に対して地域フォーラムが認定した補償金の支払い(地域コミッションが適切と判断した場合には、懲罰的賠償も認定可能)
(E) 製造物責任に基づく補償の支払い
(F) 問題となっている製品欠陥の除去またはサービス不備の除去
(G) 不公正取引又は制限的取引の停止及びその再発防止
(H) 有害・危険商品の販売の申し出の停止
(I) 有害商品の販売オファーの取り下げ
(J) 有害製品の製造停止又は有害サービスの提供停止
(K) 多数の消費者に損失又は傷害が生じているものの、その消費者を容易に特定出来ない場合、地域コミッションが認定した補償金の支払い
(L) 誤解を招く広告を発行した相手方の費用負担において、当該誤解を招く広告の影響を中立化させる正しい広告の発行
(M) 適切な経費の支払い
(N) 誤認広告発行の停止
このように新消費者保護法は比較的短期間で終結する紛争解決手続を規定するとともに、地域コミッションに対して、柔軟な紛争解決手段を与えています。

 


インドネシア

 

1. コロナウイルス蔓延の影響に対する納税者の税制優遇措置に関する財務大臣規則 – 修正
= 2020年8月14日発効 No.100 Year 2020

1) 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発表された税務優遇策について、以下の通りPPh25の減税額が30%から50%に拡大されました。対象会社のKBLIコードには前回から変更はありません。すでに申請済みであれば再申請の必要はありません。
2) PPh25(法人税の予納)の50%減額
当該減額措置は、以下の要件を満たす企業において、税務署にNotificationを出した段階から2020年12月までの期間で与えられる。
(要件)
➢ 別途規定される事業コードの会社で、2018年度の年次確定申告を提出している。もしくはKITE企業である。

 

2. 経済ニュース

【 外国人訪問者数 9割減 】
インドネシア中央統計局が発表した統計情報によると、7月にインドネシアを訪問した外国人は前年同月比で89%減の15万9千人であった。新型コロナウイルス感染拡大防止のためにITAS/ITAPを持たない外国人の入国やトランジットを4月上旬より禁止したことが影響。4月より4ヶ月連続で約9割の減少となった。

 

【 デジタル商取引課税 対象事業者追加 】
インドネシア政府は、インターネットを通じて提供するサービスや商品に関する10%の付加価値税について、新たに徴収対象事業者を12社追加すると発表した。10月1日以降の取引から課税対象となる。12社は、Twitter、SKYPE、ZOOMなどのオンラインコミュニケ―ションツールを提供する事業者の他、シンガポールのECサイト運営事業者など。

 

【 印紙税法の改正草案 合意 】
インドネシアのスリ・ムリヤニ財務相は、政府と金融担当の委員会の間で印紙税法の改正草案の合意がなされたと発表した。来年1月1日の施行を目指す。
草案では、印紙の額面を従来の3,000ルピアと6,000ルピアの2種類から、1万ルピアに一本化する。他方、中小零細企業に対する負担軽減から、課税対象外とする契約書などの価格に上限を従来の100万ルピアから500万ルピアに引き上げる。その他、課税文書に電子文書を追加し、電子印紙の使用についても新たに規定する予定。

 


オーストラリア

 

1. 新型コロナウイルス最新情報
オーストラリアでの日々の感染者数は7月末頃に700人を超え過去最高を記録しましたが、その後減少し直近(9月23日現在)は22人にまで減少しています。内訳は、ビクトリア州15人、ニューサウスウェールズ州6人、南オーストラリア州1人となっています。

FCGオーストラリアニュースレター_2020年9月①

 

9月6日にビクトリア州における今後のロードマップが発表されました。メルボルン都市圏におけるロードマップの主な内容は以下の通りです。なお、メルボルン都市圏における1日当たり新規感染者数2週間平均は9月23日現在で29.4人となっています。

FCGオーストラリアニュースレター_2020年9月③

 

 

2. ビクトリア州ビジネス支援補助金 Business Support Fund
ビクトリア州政府は中小事業者向けの追加補助金を発表しています。主な内容は以下の通りです。

 

■補助金概要

FCGオーストラリアニュースレター_2020年9月②

■受給要件

・ 補助金の支給対象業種である(*2)
・ ビクトリア州内で事業を行っている
・ JobKeeper Paymentを受給している
・ 従業員を雇用しており、WorkSafe Victoriaの労災保険に加入している
・ 2019-20年度における年間給与額が10百万ドル未満
・ GST(Goods and Services Tax)登録されている
・ ABN(Australian Business Number)を保有している
・ 連邦または州の規制当局(ASICなど)に登録されている

■申請方法

・ 申請期限は2020年11月23日
・ オンラインで申請書を提出(*3)
・ 申請書の全ての質問に回答し、必要書類を添付

(*1) 2019-20年度における年間給与額

(*2) 支給対象業種リスト

https://www.business.vic.gov.au/__data/assets/word_doc/0010/1936252/Third-round-of-the-Business-Support-Fund-ANZSIC-list-Fact-Sheet.docx

(*3) オンライン申請フォーム

https://businessvic.secure.force.com/PublicForm?id=bsf32020#no-back-button

 


シンガポール

 

1. Safe Management Measures のアップデートについて
シンガポール政府による職場でのSafe Management Measuresの実施が継続していますが、2020年9月23日に内容のアップデートがなされMOMのウェブサイトで公表されています。主な内容は以下のとおりで、20209月28日から適用されます。

 

MOMウェブサイト:

https://www.mom.gov.sg/covid-19/requirements-for-safe-management-measures

2. 本要求は2020年9月28日から一般の事業者に適用される。 建設現場や造船所など特定の事業者は、追加の要件を満たす必要があり、セクターごとの個別要件を参照する必要がある。
3. シンガポール政府機関(MOM、BCA、ESG)は、違反する雇用主に対する監視を継続し処分を行う。 処分には業務停止命令や罰金が含まれる。
5. 原則として、在宅勤務が推奨される。ただし、9月28日以降は、在宅勤務が可能な従業員が職場に戻り、業務のサポートが出来る。
i 在宅勤務が可能な従業員に関して、雇用主は少なくとも就業時間の半分の時間を在宅勤務にしなければならない。(例:週6日勤務のフルタイムの場合、週に最大3日間、職場での勤務が可能。)職場での勤務は、従業員が雇用主と合意した場合、もしくは雇用主が指示する場合に可能である。
ii 雇用主は、在宅勤務ができる従業員に関して、半数を超える人数を同じタイミングで職場にて勤務をさせてはならない。(例:従業員を半数の2チームに分け、各チームが毎週在宅勤務と職場勤務を交互に行うことが可能。)
6. C ビジネス関連のイベントは、一般的な職場の安全管理措置に準拠する必要があり、次の要件に従う必要があります。なお、ビジネス関連のイベントは、社会的交流を主としないイベントであり、会議やセミナー、社員旅行、従業員研修、定時株主総会、臨時株主総会などの、従業員または利害関係者が主に関係するイベントを指す。
i 感染リスクを抑えるために、イベントあたりの参加者は50人までとする。
ii Safe Management Measuresに従って、参加者間の距離を少なくとも1メートル以上離す必要がある。
iii 食べ物や飲み物は、可能な限りイベントでは提供しない。実務上の理由から食事の提供が必要な場合、参加者は座った状態で個別に提供し、食事中の相互の接触を最小限に抑える必要がある。食事中は、参加者がマスクを外される時間を最小限に抑える必要があり、食事がイベントの主たる目的であってはならない。

 

 

2. Jobs Growth Incentive について

2020年9月から2021年2月までにローカル従業員(シンガポール国民及びシンガポール永住権保有者)を採用する企業は、シンガポール政府から給与の補助金(JGI:Jobs Growth Incentive)を受け取ることが可能です。主な受給要件と受給金額は、以下のとおりです。
(受給要件)
・ 2020年8月と比較して、ローカル従業員数が増加している、及び
・ 2020年8月と比較して、月給1,400以上のローカル従業員数が増加している
(受給金額)
・ 40歳以上の従業員の場合、月給(上限S$5,000)の50% を最大12ヶ月分(最大S$30,000)
・ 40歳未満の従業員の場合、月給(上限S$5,000)の25% を最大12ヶ月分(最大S$15,000)
※ ただし、2020年8月に在職するローカル従業員の離職する場合、補助金の減額計算が行われる。

 


タイ

 

1. 社会保険料率の減額(2回目)
Covid-19の影響を受けて、タイの社会保険料は2020年3月―5月の3か月間、雇用者負担、および被雇用者の負担が低減されていました。今回社会保険庁によると、2020年9月―11月の3か月間について、再度、社会保険料の負担を軽減する旨が発表、公表されました。9月の社会保険料の納付期限は10月15日になります。 

FCG東南アジアニュースレター_2020年9月タイ①

社会保険料負担額は、被雇用者の賃金額(社会保険計算上の固定的給与額)から計算されますが、賃金上限は15,000THB/月/被雇用者となり、旧負担率の負担上限は750THB(雇用者および被雇用者)であったのに対し、低減された負担上限は、300THB(雇用者及び被雇用者)となります。

 

2. VAT税率の7%維持について
2020年9月23日公表のDecree No.715において、2020年10月1日-2021年9月30日の期間、タイのVAT税率が7%に削減される事が確定しています。タイのVAT税率は歳入法では10%とされていますが、時限を決めて7%に削減されているものが、毎年更新される状況が続いています。

(歳入局公表Decree No.715)

https://www.rd.go.th/publish/fileadmin/user_upload/kormor/newlaw/dc715.pdf

 


フィリピン

 

1. フィリピンにおけるコロナウイルスによる隔離措置の状況

隔離措置については以下の取り扱いが定められている。

 

・強化されたコミュニティ隔離措置  ECQ:Enhanced Community Quarantine
・修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置  MECQ:Modified Enhanced Community Quarantine
・一般的なコミュニティ隔離措置  GCQ:General Community Quarantine
・修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置  MGCQ:Modified General Community Quarantine

 

上から順番に厳しい措置となる。

 

6月1日からマニラ首都圏はGCQに移行し、7月30日まで継続した。これ以降も感染者の増加は衰えを知らず、8月1日以降もGCQ継続との見方が強かった。

7月31日にフィリピン政府は一旦GCQの継続を決定し、方針を公表したものの、8月2日の夜になって突然GCQより厳しいMECQに修正すると表明した。期間は8月4日から8月18日までの2週間。コロナウイルス感染拡大により医療体制がひっ迫していることが背景。自宅待機が基本となる。公共交通機関の運行は再び停止となった。自治体間の移動には許可証が必要となり、各企業における従業員の出社への影響は避けられない。

その後、首都圏は8月19日~31日までを再びGCQとする旨の発表がなされ、タクシー等の公共交通機関が少し動き出した。しかし、依然として地方と首都圏を結ぶ長距離バスの運行は許可されておらず、人の往来は限定的だ。

 

しかしながら、感染者数は日ごとのばらつきが抑えられ、以前として感染者数は多いものの若い人を中心にほとんどが無症状者であり、感染者自体も一日2,000人~3,000人程度で落ち着いてきており、これまでの対策が功を奏してきていると言うこともできるだろう。

そのような中で、今まではそれぞれの隔離措置に対して一定の行動制限が画一的になされてきたが、ここにきて自治体ごとに感染状況が大きく異なることもあって、次第に自治体に権限を委譲していくような体制になってきている。

例えば、外出制限は原則午後10時までであるが、これは午後10時には自宅にいなければならない、という意味である。

しかし、マカティ市はこれが経済活動の妨げになるとして、首都圏のマカティ市においては特別に飲食店でのレシートがあれば午後11時までに帰宅することを認めたのである。これにより、飲食店の従業員の帰宅時間を考慮して午後10時まで営業できるはずの飲食店が午後8時で閉店していたところ、午後10時まで飲食店を営業できることとなり(お店の近隣に住んでいる従業員であれば閉店後1時間で概ね帰宅可能)、各段に経済効果が高くなったと想像する。

このように現在では、各隔離措置レベルに応じた一定の縛りはあるものの、その中で自治体独自に政策を打ち出している市もあるので、皆様は各自治体の条例等に十分注意頂きたい。

 

このような状況下において、貿易産業省と労働雇用省は8月14日付で、JOINT MEMORANDUM CIRCULAR NO.20-04 「DTI AND DOLE SUPPLEMENTAL GUIDELINES ON WORKPLACE PREVENTION AND CONTROL OF COVID-19」を発表した。詳しくは通達を参考にされたいが、コロナウイルス対策強化が謳われており、職場の勤務中においてもマスクとフェイスシールドの着用が義務化となっているため留意されたい。

9月1日~9月30日については、感染状況の落ち着きからMGCQに移行するのではとの噂も流れたが首都圏は引き続きGCQが維持されることとなった。今回は2週間ではなく、1か月間の隔離措置の発表であったため、営業再開に踏み切れるお店も多くなるのではと楽しみにしている。

このまま抑え込みに成功した様子を国民に見せられれば、開国の日も近いかもしれない。

 

2. 8月中に発表されている会計・税務等に関する主な内容

FCGフィリピンニュースレター_FCPH_202009①

 

 


ベトナム

 

2020年7月から法定社会保険について変更がありました。変更内容は以下のとおりです。

 

労働災害に対する雇用者の負担率の変更
2020年7月15日から有効になった政令58号(Decree 58/2020/ND-CP)により、労働災害(業務上の事故・病気)に対する雇用者の負担率が下記A~Dの4つの条件を満たす場合には0.3%になります。条件を満たさない場合は従前の0.5%です。0.3%の料率の適用期間は36か月で、適用期間終了日から60日前までに更新申請を提出することで0.3%の料率の継続適用を受けることが出来ます。

A. 省令(Circular 7/2016/TT-BLDTBXH)に規定される以下の高リスク職業に従事していること
  a) Petroleum (石油事業)
  b) Plastic/rubber based chemical production (プラスチックやゴムからの化学品製造業)
  c) Metal production(金属製造業)
  d) Mining(鉱業)
  e) Construction(建設業)
  f) Ship building(船舶建造業)
  g) Power generation and transmission(発電事業)
  h) Fishery and aquatic processing(漁業および水産品加工業)
  i) Garment/apparels/shoes manufacturing(衣類・靴製品製造業)
  j) Scrap recycling(リサイクル産業)
 k) Environment cleaning(環境浄化事業)
B. 職場の安全・衛生に関して、過去3年間、行政罰・刑罰を受けた記録がないこと
C. 過去3年間、労働者の業務上の怪我・病気、安全、衛生に関する報告義務を順守していること
D. 過去3年間、労働者の業務上の怪我・病気がないこと、もしくは発生頻度に15%以上の減少があったこと

 

2020年7月15日以降の社会保険料率は以下のとおりです。

FCG東南アジアニュースレター_2020年9月VN①

 

基礎給与額の据置
決定書86/2019/QH14(2019年11月12日付)において、社会保険算出用の基礎給与月額がVND 1,490,000からVND 1,600,000への変更が予定されましたがCOVID-19の影響により、当該上限額の引き上げは見送られました。この結果、社会保険料算出用給与上限額(基礎給与月額の20か月分)はVND 29,800,000 (= VND 1,490,000 x 20か月)に据置かれました。
社会保険料の算出方法に不明点がある場合は必要に応じて、専門家の意見を仰ぐことをお勧めします。

 


マレーシア

 

本年、マレーシア会社登記所(SSM)により『会社の実質的支配者についての報告フレームワークに関するガイドライン(Guideline for the Reporting Framework for Beneficial Ownership of Legal Persons)』が発表され、会社の実質的支配者について報告が求められることになりました。以下、その概要を説明します。

 

(1) 背景
2017年1月31日に施行された2016年会社法(新会社法)では、会社の実質的支配者(Beneficial Owner: BO)の大まかな定義は記載されていたものの、BOを特定するための詳細な定義、報告義務者、報告期日といった点に関する記載はありませんでした。
国際的にBOの透明化が求められる中、今回のガイドラインの発表により、報告義務が明確に定められることになりました。

 

(2) BOの報告対象者
BOの報告義務のある対象者は、下記の(a)及び(b)となります。以下、別途記載のない限り(a)の会社についてのみ説明いたします。
(a) 会社法に基づいて設立された会社
ただし、以下の会社を除く。
・バンクネガラマレーシア(中央銀行)管轄の特定の法律に基づく会社
・証券関連の法律に基づく会社
・上場会社(マレーシア国外の株式市場も含む)
・SICDA1991に基づき株式が中央預託機関に預けられている会社
(b) 有限責任事業組合

 

(3) BOに関する責任者
基本的には取締役がBOに関する情報の収集及び提供についての義務を負います。その他、取締役を含む以下の者についても責任があります。
(a) 取締役
(b) 株主
(c) 会社法56条2項に基づく通知を受け取った者
(d) 会社秘書役、エージェント

 

(4) BOの定義
BOは以下のいずれかに該当する者となります。
(a) 会社の20%以上の株式を直接または間接的に有する者
(b) 会社の20%以上の議決権株式を直接または間接的に有する者
(c) 公式・非公式に会社または、役員あるいは会社の経営に対して最終的な支配権を有する者
(d) 取締役会において過半数の議決権を持つ取締役を、直接または間接的に任命または解任できる権利または力を有する者
(e) 会社の株主であり、他の株主の合意のもと、会社の過半数の議決権を単独で支配する者
※名義株主が株式を保有している場合、誰が最終的な株式の所有者なのか、または誰が会社に対して最終的・実質的な影響や支配を持っているのかを特定する必要があります。

 

(5) 報告のタイミング
新規設立会社及び既存会社について、以下のタイムラインで報告を行う必要があります。
(a) 新規設立会社
① 会社秘書役を任命してから30日以内にBOの情報を入手
② BOの情報を入手してから60日以内にBO登録
③ BO登録してから14日以内にSSMに通知
(b) 既存会社
① 初回の報告期日:2020年12月31日から14日以内にSSMに通知
② 2回目以降の報告期日:毎年、会社の設立日から30日以内に年次報告と併せてSSMに通知

 

(6) 書類の管理について
BOの情報及び根拠書類については、個人がBOとなった日からBOでなくなった日後7年間保管する必要があります。
根拠書類の例として以下のものがあり、根拠書類には権限のある者の署名等が必要となります。これらの書類は英語またはマレー語である必要があり、紙又は電子媒体での保管が認められています。
・パスポート、IC等の証明書類
・設立書類
・会社を支配する力を示す契約書

 

(7) 罰則
BOに関する報告を怠った場合や報告に誤りがある場合、主に以下の罰則が科せられる可能性があります。

・会社法584条:株主に関する情報について提出を怠った会社または会社の責任者に対して100万リンギット以下の罰金。また株主に関する情報について提出を怠った個人に対して10年以下の懲役もしくは300万リンギット以下の罰金またはその両方。
・会社法593条:虚偽または誤解を招く報告をした個人に対して10年以下の懲役もしくは300万リンギット以下の罰金またはその両方。

 


<お問い合わせ>

FAIR CONSULTING SINGAPORE PTE.LTD.

8 Temasek Boulevard, #35-02A Suntec Tower Three, Singapore 038988

TEL+65-6338-3180 | FAX+65-6338-3187

WEBhttps://www.faircongrp.com/

◼ 日本国公認会計士 伊藤 潤哉 / Junya Ito (C.P.A (JAPAN))

E-Mailju.ito@faircongrp.com

◼ 日本国弁護士 遠藤 衛 / Mamoru Endo

E-Mailm.endo@faircongrp.com

 

株式会社フェアコンサルティング

104-0045 東京都中央区築地一丁目12-22コンワビル7

TEL+81-3-3541-6863 | FAX+81-3-3541-6864

◼ グローバルRM 小川 公佑 / Kosuke Ogawa | 伊藤 愛 / Ai Ito

E-Mailgrm@faircongrp.com

 

本ニュースレター本文の内容の無断での転載、再配信、掲示板の掲載等はお断りいたします。
本ニュースレターで提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。
フェアコンサルティンググループでは、できる限り正確な情報の提供を心掛けておりますが、本ニュースレターで提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る事態が生じたとしても、フェアコンサルティンググループ及び執筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

 

【PDF版】FCG東南アジア・インド・オーストラリア_202009