Newsletter of FCG Group.
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Thursday October 22nd, 2020Australia
1. 新型コロナウイルス最新情報
オーストラリアでの日々の感染者数は7月末頃に700人を超え過去最高を記録しましたが、その後減少し直近(10月19日現在)は9人にまで減少しています。内訳は、ビクトリア州4人、ニューサウスウェールズ州4人、南オーストラリア州1人となっています。
ビクトリア州では10月18日23:59より制限措置が緩和されています。主な内容は以下の通りです。11月1日23:59より次のステップ(ステップ3)への移行が予定されています。
・自宅等からの外出距離の制限:5km圏内から25km圏内に拡大
・外出時間の制限(運動、友人・家族との面会):2時間から無制限に拡大
2. 2020/21年度オーストラリア連邦政府予算案
10月6日、新型コロナウイルスの影響で延期されていた2020/21年度連邦政府予算案が発表されました。税制に関する個人・法人ごとの主な内容は以下の通りです。
【個人】
個人所得税の減税
2020年7月~2021年6月期の課税年度において以下の減税措置
(2022年7月1日開始予定であった減税措置を2年前倒し)
・累進税率19%の課税標準額の上限を37,000ドルから45,000ドルに引上げ
・累進税率5%の課税標準額の上限を90,000ドルから120,000ドルに引上げ
・低所得者控除額を445ドルから700ドルに引上げ
【法人】
①一括償却資産の適用拡大
以下の条件を充たす場合、資産の取得額全額を使用開始年度の損金に算入可能
・2020年10月6日19:30(AEDT)以降に取得
・2022年6月30日までに使用開始(または使用可能な状態となっている)
・年間売上(注)が50億ドル未満
②欠損金の繰戻還付
以下の条件を充たす場合、発生した欠損金を過年度の課税所得と相殺し繰戻還付を選択可(繰戻還付の選択は任意であり、従来通り欠損金の繰越を選択することも可)
・欠損金:2019/20年度、2020/21年度または2021/22年度において発生した欠損金である
・過年度の課税所得:2018/19年度以降に発生した課税所得との相殺
・繰越還付は過年度における課税所得及びフランキングクレジット残高が上限
・年間売上(注)が50億ドル未満
③研究開発優遇税制
2019年12月時点の法案(旧法案)から税額控除額を拡大
(改正は2021年7月1日以降適用)
・研究開発費の上限は150百万ドル(旧法案から変更なし)
・R&D中小企業:年間売上(注)20百万ドル未満
-税額控除率:法人税率+5%(旧法案では法人税率+13.5%
-還付上限額:上限なし(旧法案では4百万ドルが上限)
・R&D大企業:年間売上(注)20百万ドル以上
-税額控除率:総費用に占める研究開発費の割合が0~2%:法人税率+5%、総費用に占める研究開発費の割合が2%超:法人税率+5% (旧法案よりも税額控除率が拡大)
-還付上限額:還付不可(旧法案から変更なし)
(注)ここでの売上金額は、日本の親会社などオーストラリア内外のグループ会社を含めた「aggregated annual turnover」で判定。
④その他
・35歳までのJobseekerを採用した場合、週100~200ドルの補助金(上限10,400ドル)
・2021年9月30日まで研修生の給与の最大半額を負担(四半期の上限額は7,000ドル)
・解雇従業員に対する再訓練費用についてフリンジベネフィットタックス(FBT)を免除
・FBTに関する記録の簡素化
・VIC州政府補助金の益金不算入
<お問い合わせ先>
Fair Consulting Australia Pty Ltd.
Level 31 120 Collins Street, Melbourne VIC 3000 Australia
Tel:+61 3 9225 5013
Web:https://www.faircongrp.com/
讃岐 修治 鳥居 裕司
オーストラリア国公認会計士 日本国公認会計士/米国公認会計士/オーストラリア国・ニュージーランド国勅許会計士
E-Mail:sh.sanuki@faircongrp.com E-Mail:hi.torii@faircongrp.com
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