FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2021年05月06日中華圏
北京・蘇州・上海・広州・深圳
小型薄利企業に対するより一層の税金軽減政策について
前回のニュースレターでも少し触れましたが、国家税務総局は2021年3月31日と4月7日に、「小規模納税者の増値税徴収免除政策の徴収管理問題に関する公告」(国家税務総局公告2021年第5号)及び「小型薄利企業と個人経営者発展のための所得税優遇政策実施に関する公告」(国家税務総局公告2021年第8号)を公表し、小型薄利企業に対するより一層の優遇政策の実施を決定しました。
それぞれの内容は従前規定を基本とし、税負担軽減の拡大及び適用期間の延長となっています。具体的な変更点の概要は、以下の表をご覧ください。
■増値税
※新規定の公表により、従前の規定である2019年第4号公告は廃止されることになります。
■企業所得税
※年間課税所得額が100万元超から300万元までの年課税所得額の部分については、これまで同様に50%を課税所得とし、税率20%を乗じた企業所得税を納税することとされます(実質税率10%)。
初回罰則無しとする税務行政処罰について
国家税務総局は2021年3月31日、「税務行政処罰の初回罰則無しとするリストの公告」(国家税務総局公告2021年第6号)を公表しました。意図的ではないミスや行政資料の提出漏れなど、簡易的な事項については、初回の税務行政処罰を免除する旨明記しました。具体的な適用条件とリストの内容は以下の通りです。
■ 適用条件
(1) リスト記載事項が初めて発生した。
(2) 危害の影響が軽微である。
(3) 税務機関より発見される前に自発的に是正した、または税務機関の是正命令の期限内に是正した。
■ 初回罰則無しとする事項のリスト
1 納税人が税務機関に対し全ての銀行口座番号を提出していない。
2 納税人が会計帳簿の設置と保管、または記帳証憑と関連資料の保管をしていない。
3 納税人が所定の期限内に納税申告や納税資料の提出を行っていない。
4 納税人が増値税専用装置を使用して発票を発行しているが、関連規定の期限内に発票発行データを主管税務機関に提出していない、かつ、違法所得はない。
5 納税人が発票管理法等の関連規定に従い発票を取得せず、発票の代わりに他の証憑を使用している、かつ、違法所得はない。
6 納税人が関連規定に従い発票を返納していない、かつ、違法所得はない。
7 源泉徴収義務者が源泉徴収に関する会計帳簿の設置と保管、または源泉徴収に関する記帳証憑と関連資料の保管を規定通りに実行していない。
8 源泉徴収義務者が所定の期限内に源泉徴収に関する資料の提出を行っていない。
9 源泉徴収義務者が関連規定通りに税収証票を発行していない。
10 国内組織及び個人が非居住者に対して工事作業または役務項目を提供する際に、関連規定通りに主管税務機関に対し関連事項を報告していない。
※上記の公告は2021年4月1日より施行されています。初回の罰則がないからといって気を緩めず、関連規定を確認したうえで、行政手続はきちんと行うよう注意しましょう。
香港
個⼈所得税申告書(BIR60)の発⾏及び新型コロナウイルスに関する各種規制の緩和について
1. 個⼈所得税申告書(BIR60)の発⾏について
⾹港税務局は2021 年5 ⽉3 ⽇、個⼈に対して2020/21 年度(2020 年4 ⽉から2021 年3 ⽉までの課税年度)の税務申告書を約262 万の納税者に送付しました。各納税者は1 か⽉以内である6 ⽉3⽇までに申告を⾏う必要があります。
昨年度は新型コロナウイルスの影響もあり、税務申告書の発⾏⽇が6 ⽉1 ⽇、税務申告書の提出期限が6 ⽉30 ⽇まで延期されておりましたが、今年度は例年通りのスケジュールでの申告が必要となりますので、⾹港を不在にしている⽅等は特に留意が必要です。
2. シンガポールとの往来を再開
⾹港政府及びシンガポール政府は2021 年4 ⽉26 ⽇、新型コロナウイルスの感染拡⼤による渡航規制を⼀部緩和し、両都市の間で隔離期間なしで⼀般渡航ができる「トラベルバブル」を開始すると発表しました。5⽉26 ⽇に専⽤便の運航が始まる予定で、5 ⽉26 ⽇から1 ⽇1 便運航し(200 ⼈を上限)、6 ⽉10 ⽇から1 ⽇2 便へと増便されます。
⾹港とシンガポールは当初、2020 年11 ⽉22 ⽇からトラベルバブルを開始する予定でしたが、⾹港での感染再拡⼤を受けて、開始直前の11 ⽉21 ⽇に中⽌を決めていました。⾹港の在住者がトラベルバブルの枠組みで渡航する際には、新型コロナウイルスのワクチン接種後14 ⽇を経過している必要があります。
3. ⾹港居⺠、中国本⼟全域からの⼊境で隔離を免除
⾹港政府は2021 年4 ⽉26 ⽇、⾹港居⺠に対し⾹港⼊境後の強制検疫及び隔離を免除している「回港易」スキーム(Return2hk Scheme)の適⽤対象を、従来の広東省とマカオから、中国本⼟の全域に広げると正式に発表しました。18 歳以上の⾹港⾝分証保有者であれば、専⽤予約システムを通じて予約が可能で、帰還の⼿段は陸路か空路かを問いません。⼀定の条件を満たせば、⼊境後、14 ⽇間の隔離が免除されます。
また、5⽉中旬より、広東省、マカオの⾮⾹港居⺠が⾹港へ⼊境する際に強制検疫を免除する「来港易」スキーム(Come2hk Scheme)が開始される予定です。詳細については、追加の情報があり次第、次号以降で紹介いたします。
4. ワクチンバブルについて
2021 年4 ⽉29 ⽇、ワクチン接種及び追跡アプリ「安⼼出⾏」の利⽤を条件として、新型コロナウイルス対策の制限緩和を⾏うワクチンバブルが開始されました。ワクチンバブルの詳細は以下の通りとなります。
(1) 飲⾷店関連
各飲⾷店は、感染拡⼤防⽌への取り組み状況に応じ、A 類、B 類、C 類、D 類のいずれかを選択することが可能となります。
A 類︓政府指定の感染拡⼤防⽌策を実施しない場合
➡ 店舗内での飲⾷は18 時までで、1 テーブルの着席⼈数は2 ⼈まで。
B 類︓従業員に対する14 ⽇ごとのPCR 検査を実施するとともに、来店客は新型コロナウイルス感染リスク通知アプリ「安⼼出⾏」を利⽤する、もしくは⼊店時に⽒名・電話番号・⽇時を登録する場合
➡ 店舗内での飲⾷は22 時までで、1 テーブルの着席⼈数は4 ⼈まで。
C 類︓全ての従業員が1 回⽬の新型コロナウイルスワクチンを接種するとともに全ての来店客が「安⼼出⾏」アプリを利⽤する場合
➡ 店舗内での飲⾷は午前0 時までで、1 テーブルの着席⼈数は6 ⼈まで。
D 類︓全ての従業員がワクチンを2 回接種し、2 回⽬接種から14 ⽇間が経過しており、かつ、全ての来店客が1 回以上ワクチンを接種し「安⼼出⾏」アプリを利⽤する場合
➡ 店舗内での飲⾷は午前2 時までで、1 テーブルの着席⼈数は8 ⼈まで。
(2) バーなどの再開
以下を条件に、バー、ナイトクラブ、パーティールーム、カラオケなどの再開が認められます。
・ 全ての従業員および来店客が1 回⽬のワクチンを接種し、全ての来店客が「安⼼出⾏」アプリを利⽤する。
・ 営業時間は午前2 時までとし、1 テーブルの着席⼈数は2 ⼈まで。パーティールームとカラオケは1 部屋当たり4 ⼈までの⼊室を認める。
台湾
【台湾での新型コロナウィルス感染状況】
台湾では、4月末以降航空会社関係者及び隔離ホテルの関係者からの域内感染が徐々に広がっており、感染経路の特定と対象者の自宅隔離、滞在場所の消毒などが行われています。
【営利事業所得税・個人所得税の申告期限】
2020年度の営利事業所得税及び個人所得税は従来通り2021年5月末までの申告・納税が必要です。昨年のようにコロナ禍対策としての申告期限の延長措置はありませんので注意してください。
【勞工職業災害保險及保護法の立法院第三読会通過】
労働部は4月23日に立法院第三読会を通過したと発表しました。本法律の実施日は未定ですが、施行された場合、標準報酬月額の改定により、企業の保険料負担に影響が出るものと思われます。
主な改正点は以下の通りです。
・従業員4人以下の企業の加入義務化
・標準報酬月額を現行の45,800台湾ドルから72,800台湾ドルに改定
【ノービザ滞在の再延長措置について】
4月13日内政部移民署は2020年3月21日以前に台湾に合法的に入境し、滞在期間が180日を超える場合は、30日間の滞在期間延長(10回目)を発表しました。延長には特段の手続きは不要であり、自動で延長されます。これにより既に台湾にいながら本来の滞在期間が過ぎてしまっていた外国人は、引き続き台湾滞在が可能です。ノービザ延長措置で滞在している日本人は自身がいつまで滞在可能か再度確認することをお勧めします。
またこの自動延長措置で台湾に滞在している日本人は、91日以上の滞在となり、居留証を持っていなくても個人所得税の申告対象となりますので、忘れずに2021年5月末までに申告・納税を行ってください。
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