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2021年05月25日アメリカ
第28回:PPPローンの総括
PPP (Paycheck Protection Program/給与保護プログラム) ローン申請の締め切りが迫っています。PPPローン第3ラウンドの申請が、現在一部の特別金融機関においてのみ引き続き受け付けられていますが、5月31日をもって完全に終了となる予定です。既に大手銀行などでは5月初旬に受付が締め切られたことを受け、運営元であるSBA(Small Business Association/中小企業庁)は、PPPローンの状況に関する各種データを公開しました。今回はその中から、PPPローンの発行や返済免除の状況をご紹介します。
1.PPPローン発行の状況
すべての承認されたPPPローンの件数及び金額(2021年5月16日時点。1ドル108.77円で換算)
2021年に承認されたPPPローンの規模(2021年5月16日時点。1ドル108.77円で換算)
※ローンの平均は$44,000(約480万円)
第2ラウンドが終了した2020年8月の時点では、$350,000以下のローン件数が94.6%を占めており、ローン規模の構成に大きな変化はないと言えます。
2021年に承認されたPPPローン 州別トップ5(2021年5月16日時点。1ドル108.77円で換算)
第2ラウンドが終了した2020年8月の時点と比べて、ニューヨーク州とテキサス州の順位が逆転していますが、トップ5の州に変化はありません。
2021年に承認されたPPPローン 業種別トップ5(2021年5月16日時点。1ドル108.77円で換算)
第2ラウンドが終了した2020年8月の時点では、製造業が4位にランクインしていましたが、今回はその他のサービス業(行政機関を除く)がランクインしています。
2.PPPローン返済免除の状況 (2021年5月10日時点。1ドル108.77円で換算)
COVID-19パンデミックが始まった直後の2020年4月以降、計3つのラウンド、約1年にわたり膨大な金額が投入されたPPPローンですが、承認されたPPPローンの金額のほとんどが$350,000以下であったことから、当初の目的通り小規模ビジネスに資金が使用されたと言えるでしょう。また、2020年にローンを受けたビジネスのうち6割以上が返済免除の申請を済ませており、そのほとんどが免除を認められています。
PPPローンの返済免除の申請をこれから行う予定である場合は、貸出金融機関から追加の資料要求が来ることも考えられますので、申請期限を超過しないよう余裕をもって申請手続きを進めることをお勧めします。
By 上野 裕美
Fair Consulting USA Inc.
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◇涌井 正晴
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