FCG集团的通讯
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06/28/21 Monday菲律宾
1. 2021年フィリピンの状況
隔離措置については以下の取り扱いが定められている。
・強化されたコミュニティ隔離措置 ECQ:Enhanced Community Quarantine
・修正を加えた強化されたコミュニティ隔離措置 MECQ:Modified Enhanced Community Quarantine
・一般的なコミュニティ隔離措置 GCQ:General Community Quarantine
・修正を加えた一般的なコミュニティ隔離措置 MGCQ:Modified General Community Quarantine
上から順番に厳しい措置となる。
4月末まで延長されていた厳格な外出制限措置(MECQ)はマニラ首都圏においては5月14日まで延長された。その後、マニラ首都圏でのコロナウイルス新規感染者数が減少してきているとして5月15日より5月末まではGCQに緩和された。しかしながら、前回実施された2021年3月前半までのGCQとは異なり、相当な制限付きの緩和措置となった。例えば、飲食店においては店内飲食は認められるものの、座席数の20%までとされており、屋外の席での飲食は50%まで認めるという内容である。観光施設では屋外に限って感染対策を徹底した上で、収容人数30%を上限に営業が可能となった。宗教行事と葬儀については収容人数の10%まで認められることとなった。このように前回の反省を踏まえての措置なのかGCQに移行したとはいえ、収容率を大幅に制限するなど感染者を爆発的には増やさないようにする政府の慎重な姿勢がうかがえる。
4月末まで外国人の入国が停止されていたが、5月1日より入国制限が解除された。ただし、入国時に有効なビザを保有していることが条件となるので、ビザを保有していない方はフィリピン外務省の入国特別許可を入手の上、在フィリピン大使館にて短期滞在者ビザ(9Aビザ)の発給を受ける必要がある。もしフィリピンに入国する予定がある方は、早めにフィリピン外務省の特別許可を取得することをお勧めする。現在申請者が殺到しているにもかかわらず、フィリピン外務省の人員削減に伴い原則1日あたり100名を上限に事務処理を行っているため、申請から数ヶ月を要することにご留意頂きたい。
ワクチンの接種状況は少しずつではあるが広がりつつあるものの、まだ国民全体の2%程度にとどまっている。また、フィリピン人の中にはワクチンを打つことをためらっている方も多くなかなか思うようにはワクチン接種は進んでいない状況である。地域によっても接種の進捗状況は異なっているため、フィリピン全体で集団免疫を獲得するまでには相当な時間がかかると思われる。
フィリピンへの入国制限に伴い、フィリピン国内の経済状況、雇用情勢が大変厳しい中、フィリピン経済を立て直す起爆剤となり得る法案が上院で通過した。それが小売り取引自由化法だ。上院での法案は、外資による小売業が法人を設立する際の最低払込資本金を現行法の250万ドルから5,000万ペソに引き下げるというもの。下院法案では上院案よりもさらに規制緩和に踏み切った内容となっているため、今後上院および下院による両院合同委員会にて法案のすり合わせが行われる見通しだ。なお、小売り取引自由化法の改正案のほかにも、外国人専門職の就業制限の撤廃に向けた外国投資法の改正案や公共事業に対する外資の出資規制を緩和する公共サービス法の改正案は優先法案としてかかげられ、早期成立を目指している。いずれの法案も日系企業にとっては長年規制緩和が叫ばれていた内容なだけに日系企業によるフィリピン投資の呼び水となることを願ってやまない。
2. BIR Form 1709および移転価格文書提出義務者の明確化について
4月27日にBIRより発行されたRMC No.54-2021のポイントは以下である。
1) BIR Form 1709の提出者
法人所得税に関して税制上の優遇措置を享受している納税者のみが対象。
・税制上の優遇措置とは、法人税の免税(ITH)や5%総所得課税(GIT5%)を指す。
・PEZA ELSE(ロジスティクス業および倉庫業)は通常法人税率が適用されているため、その他の要件に当てはまらない限り、BIR Form 1709の提出は不要である。
2) 移転価格文書提出義務者
上述の(1)でBIR Form 1709の提出要件と、移転価格文書作成の重要性の基準値は関連している。BIR Form 1709の提出が必要である納税者で、かつ、移転価格文書作成の重要性の基準値を満たした場合に移転価格文書の作成が必須となる。つまり、納税者がBIR Form 1709を提出する必要がない場合は移転価格文書の作成も義務付けられない。しかし、BIRは関連者間取引を行う全ての企業に対して移転価格調査を行う権限を有すると述べている。これは税務調査が入った場合の立証責任は納税者側にあるということなので、提出義務がなくとも移転価格文書を準備しておくことが望ましいと考えられる。
3. 5月中に発表されている会計・税務等に関する主な内容
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