Newsletter of FCG Group.
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Wednesday January 5th, 2022Greater China
北京・蘇州・上海・広州・深圳
賃上げガイドラインについて
2021年12月28日までに、中国の20程度の省・地方政府が、2021年度の賃上げガイドラインを公表しました。地域ごとに賃上げガイドラインが政府側から公表されることは日本ではなかなか考えづらいですが、中国では以前から随時情報が公表されています。
各地域の人力資源社会保障局が、地域ごとの経済発展状況や経済発展の見通し・現況・物価水準等を考慮し、地域ごとの賃上げガイドラインを公表しており、域内企業は従業員の賃上げを実施する際の参考基準として活用することになりますが、当該ガイドラインに強制力はありません。
2021年度の上限ラインは12.0%の安徽省と山西省が最高であった一方で、多くの地域では上限設定を公表していません。特に、日系企業が多い上海市・江蘇省・広東省等では、2021年度の賃上げガイドラインは公表しておらず、経済の伸びが鈍化するなか、急ピッチな賃金上昇を抑える狙いがあるものと想定されます。
公表された地域ごとのガイドラインを下記の通りまとめましたので、ご参照ください。
経営状況が順調に伸長している企業は、自社の状況を考慮しつつ、基準ラインを参照しながら賃金上昇率を定め、利益が横ばいもしくは減少している企業は、自社の経営状況に合わせ下限ラインを参考に賃金上昇率を定めることが求められています。経営が赤字で従業員への賃金支払が困難な企業は、労働組合あるいは従業員代表との協議により、賃金を据え置くことも可能ですが、地域ごとの最低賃金基準を下回ってはなりません。
コロナ環境下においても、賃上げガイドラインの基準が5%を超えている地域が多く、中国の賃上げに対する環境が日本と大きく異なる点が強く感じられる情報となっています。
香港
日本から香港への渡航における隔離制限強化について
1. 日本から香港への渡航における隔離制限強化について
香港政府は2021年12月3日から、日本を新型コロナウイルスのリスク分類で最も厳しい入境規制の対象となる「A(高リスク)」グループに追加しました。日本でコロナの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が確認されたことによる措置となります。これにより12月3日以降、香港のIDカードや就労ビザを持たない非香港居民の日本からの入境は禁止されることになりました。香港居民は引き続き日本からの入境が可能ですが、12月3日以降はコロナワクチンの接種が完了していることが必須となります。
また、強制検疫期間も延長され、ワクチン接種が完了している香港居民については、従来14日間であった隔離期間が、政府指定ホテルで21日間の隔離及びその後7日間の自主観察となりました。
2. 香港証券取引所、SPAC上場を2022年1月に解禁
香港証券取引所は2022年1月1日から、特別買収目的会社(SPAC)の上場を解禁すると発表しました。SPACは上場時には事業の実体がなく、上場により資金を調達して一定期間内に主にスタートアップ企業を買収することを目的とする会社です。香港証券取引所が発表したSPAC上場に関するルールによると、SPACは10億香港ドル(約145億円)以上を調達する必要があり、また、上場から2年以内に買収を発表できなければ上場廃止になります。投資家保護に配慮しつつ新規上場を呼び込む狙いで、資金調達市場としての香港の地位を高め、国際金融センターとしての役割を強化することを目的としています。
3. ビザ電子申請サービス及び「e-Visa」の開始について
香港政府入境事務處(入境管理局)は2021年12月28日から、ビザの電子申請サービス及び「e-Visa」を開始し、香港入境事務處に出向くことなく、申請書の提出、支払い、「e-Visa」の受け取り等のビザ申請の全プロセスをオンラインで行えるようになると発表しました。また、12月28日以降にビザを受け取る人は、従来のシール型ラベルに代わるものとして、「e-Visa」が発行されます。
対象となる申請者は、香港入境事務處のアプリケーション、香港入境事務處のウェブサイト、香港政府のウェブサイトからオンラインで申請書を提出することができます。申請が許可されると、申請者はオンラインで料金を支払い、支払い後に「e-Visa」をダウンロードすることができます。「e-Visa」は、印刷またはPDFファイルとして保存し、入国審査時等において提示することとなります。
なお、当面の間は、引き続き従来の方法(出頭、郵送、投函など)で申請を行い、香港入境事務處で支払いとビザの受け取りを行うこともできます。
台湾
・感染者・死亡者速報通知(2022年1月3日付)
【台湾での新型コロナウィルス感染・対応状況】
台湾では、先月に引き続き、全土の一日の感染者数がゼロの状態が続いています。現時点では2022年1月10日まで、この第二級措置が続く予定ですが、これまで同様それ以降もこの措置は継続される見通しです。
また、海外からの台湾渡航の原則禁止・ビザ発給停止措置は引き続き継続され、現時点では再開のめどはたっていません。
【台湾への入境制限について】
2021年5月19日から原則としてすべてのビザの発給を停止しており、現状も変更の予定はありません。しかし、台湾の管轄当局に特別入境許可を申請し、取得できた場合にのみビザ申請が可能という従来から一部実施されていた方法が、台北駐日経済文化代表処等の公式ホームページにも掲載されるようになりました。
【ノービザ滞在の再延長措置について】
12月9日内政部移民署は2020年3月21日以前に台湾に合法的に入境し、滞在期間が180日を超える場合は、30日間の滞在期間延長(18回目)を発表しました。延長には特段の手続きは不要であり、自動で延長されます。これにより既に台湾にいながら本来の滞在期間が過ぎてしまっていた外国人は、引き続き台湾滞在が可能です。ノービザ延長措置で滞在している日本人は自身がいつまで滞在可能か再度確認することをお勧めします。
【台湾と韓国の租税協定締結について】
台湾財政部は11月30日に、韓国との間で「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための取り決め(台韓租税協定)」を締結したことを発表しました。双方の国内法での手続きが完了したことを相互に通知したのち、本協定の効力が生じた年の翌年から適用が開始されます。
【2021年度源泉税の申告期限について】
毎年1月は前年度の源泉税の申告の月となり、1月31日までが申告期限となります。2022年は1月29日から2月6日までが春節休みとなるため、申告期限は2月7日に順延されます。
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