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FCGグループのニュースレターをお届けします。

FCCNニュースレター Vol.72 (2015年11月1日)

2015年11月01日中国

上海での住宅積立金事情について

 

中国では中国人従業員に対する福利制度の 1 つに住宅積立金の制度があります。住宅積立金の使途は住宅の購入・ 建築・回収・補修並びに住宅ローンの利用とその金利返済等に限定されます。住宅積立金は人を雇用している組織(国家 機関・企業・事業・団体等)が責任を持って、組織負担と本人負担を合わせて納めていくものですが、組織負担は少しでも 抑えたい、さらには従業員自身も本人負担の納付を希望しないといった事由等により、長期間に渡り未納状態が続く企業が 数多く見受けられました。

しかし、積立義務不履行に対する取締りが厳しくなるとともに、2015 年 9 月から上海で勤務するのであれば、外国人また は台湾・香港・マカオの人でも積立てが可能になる等、対象範囲がますます拡大される傾向にあります。

今回のニュースレターでは上海の住宅積立金の管轄機関である上海市積立金管理センターのホームページでも紹介されて いる 2015 年 10 月 22 日付けの上海の新聞記事の内容の一部と 2015 年 9 月 24 日付けの上海市住宅積立金管理 委員会からの通知を以下にご紹介しますので、ご参照ください。上海に限らず、未納に対して過去に遡って納付を命じられる 等、他の各地域でも取締が厳しくなっていますので、皆様におかれましては、今一度ご対応をご確認ください。

 

●2015 年 10 月 22 日付けの新聞記事 ~従業員のために積立金を積立てていない「ブラックリスト」~

 

今年 4 月から市の積立金センターは市全体で住宅積立金の積立状況につき検査を行なっている。市は連続 3 年検査を 行なっているが、2015 年度の積立状況の検査では、南滙工業園区の 2 社が規定に違反しているとして検査を受けた。

(検査による効果が顕著に)統計によると、2015年9月末現在、積立金口座を開設していなかった組織5.2万社が自己 チェック表を提出し、新たに積立てを開始する従業員は 17 万人となる。また、積立金口座は開設していたものの積立者数と 従業員数に相違があるとして検査を受けた 2.2 万社中、2.1 万社が自己チェック表を提出し、これにより新たに積立てを開始 する従業員が 4.25 万人増え、新規で積立てる従業員は合計 20 数万人増えることになる。

(全面的な改善を拒む企業は重罰に直面)サンプルチェック段階では、自己チェックで自主的な改善を終えていなかった組 織に対し法律に基づき訪問して検査を進め、現地で従業員名簿、給与報告書等の書類を調べ、組織に対し責任を持って 期限内に全面的な改善を終えることを求めた。そして、検査を終えた後も全面的に改善していないまたは検査への協力に応 じない組織は《住宅積立金管理条例》、《上海市住宅積立金管理に関する若干規定》、《上海市住宅積立金行政法律執 行管理弁法》の関連規定に基づき、法により行政処罰が与えられるまたは裁判所の強制執行が申請され、かつ規定に基づ きインターネット上で組織名が公表されることとなり、市公共信用情報サービスのプラットフォームに対しても当該組織の規定違 反の情報が提供されることになり、当該組織が信用喪失執行者リストにも加えるよう人民裁判所に申請される。

(サンプルチェックの対象となった組織が適時に全て改善することを承諾)ある製造業者は自己チェックのステップは通過したも のの積立金口座が未開設となっていたことが発見された。会社責任者は経営困難な状態でかつ従業員の積立てに対する積 極性も高くないことを示した。検査中、検査員はすぐに会社責任者の誤った観念を正し、住宅積立金もまた法定の積立項目 の 1 つであることを説明し、かつ従業員代表大会等で従業員に期日通りに積立てる利点を説明するよう求めた。検査の最後 に、企業責任者はできる限り早く積立金口座を開設することを承諾した。また、同じくサンプルチェックを受けたもう 1 社も、企 業責任者が住宅積立金関連の政策の説明を受け、その後、従業員のためにできる限り早く積立てることを承諾した。

 

●上海市住宅積立金管理委員会が 2015年9月24日付けで各住宅積立金積立機関に宛てた「上海で働く外国籍者、 国外永久(長期)居留権取得者、台湾・香港・マカオ居住者の住宅積立金参加に関する問題の通知 」(濾公積金管 委会【2015】10 号)

上海に世界的に影響力を持つ科学技術創造センターを設立することを加速するという中央からの新たな要求に全面的に 応えるべく、人才政策をさらに開放していき、住宅積立金制度の上海市で働く外国籍者、国外永久(長期)居留権を取 得した者または台湾・香港・マカオの住民(以下、「外国籍者、国外永久(長期)居留権取得者または台湾・香港・マカオ の住民で、上海で働く人」と称す)の住宅保証のため、国務院の《住宅積立金管理条例》及び《上海市住宅積立金管理の 若干規定》につき、上海市の実際の状況に対応すべく、下記の通り関連事項を通知する。

1. 上海市の組織(国家機関・企業・事業・団体等)と労働(雇用)関係があり、規定に従い上海市海外人才居住証 (または以前の《上海市居住証》B 証)、《外国人就業証》、《台湾香港マカオ人員就業証》、《定住国外人員上海就 業認可証》等の証明書を所有する外国籍者、国外永久(長期)居留権取得者または台湾・香港・マカオの住民で、 上海で働く人は、本人と組織が協議し認識を得た上で、上海市の現行規定に基づき住宅積立金を積立てることができる が、積立ての基数と比率等はともに市の現行規定に基づく。

2. 外国籍者、国外永久(長期)居留権取得者または台湾・香港・マカオの住民で、上海で働く人が上海の組織と労働 (雇用)契約を解除または終了した場合、住宅積立金口座の凍結、移動等の状況は上海市の現行規定に基づく。

3. 外国籍者、国外永久(長期)居留権取得者または台湾・香港・マカオの住民で、上海で働く人の上海市での住宅購入、 自分が住むための家賃または物品管理費等住宅消費時は上海市の現行の住宅積立金引出規定に基づくことができる。

4.外国籍者、国外永久(長期)居留権取得者または台湾・香港・マカオの住民で、上海で働く人が上海市で自宅を購 入するために必要な住宅積立金ローン申請の関連規定は別途定められる。

5.住宅積立金に関連する個人所得税は国家税収関連の規定に基づくものとする。 6. 本通知は公布日より執行し、有効期間は 5 年とする。

<お願い>上記日本語は中国語文を原文とした翻訳です。翻訳には正確を期しておりますが、中国語と日本語の表現の相 違等から日本語翻訳の内容に誤解が生じる恐れがあります。中国語原文との間に解釈の相違がある場合、中 国語原文を依拠としてくださいますようお願いいたします。