FCGグループのニュースレターをお届けします。
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2015年07月16日中国
上海市の人材業務体制メカニズム改革、人材新事業促進に関する実施意見について
2015年7月6日、上海市人民政府は、『人材業務体制メカニズムの改革のための人材新事業促進に関する実施意見』 を発表しました。 当該意見は、上海が世界的な影響力のある科学技術センターとなり、国際的に一流な人材を集中、育成 し、事業発展の地となるようにするための意見です。本意見にはさまざまな政策がありますが、今回は特に外国籍人材に対す る制度改革をご紹介します。
なお、本意見は上海限定となりますが、このような政策は今後各地域で強化されることになると思われますので、今回のニュ ースレターで取り上げさせていただいております。
海外の高級人材をさらに積極的に、開放的に、有効的に導入するための政策
①永住居留証の申請条件が簡素化され、就業企業の種類や職務級別の制限を取り消し、居住期限の要求を緩和。
上海で連続4年勤務し、毎年中国国内に6ヶ月以上居住し、安定した生活保障及び住所があり、給与収入及び個人所 得税納税額が規定基準(※ヒアリングによると年収60万元。個人所得税納付額12万元)に達する外国籍人材は、企業 の推薦を経て、永住許可証を申請できる。
②中央及び上海市から「千人計画」等に選ばれた高級人材は、人力資源社会保障局及び市政府に外国人永住居留証を 申請できる。
③上海人材主管部が認定した外国籍高級人材、上海科技創新職業リストに所属する企業が雇用及び保証する業種の高 級人材は、60歳の年齢制限を受けず、有効期限5年の就業居留許可(人材)を申請でき、3年後に企業の推薦を経て、 永住許可証を申請できる。
④Rビザ(人材ビザ)の申請範囲を拡大。 上海人材主管部門が認定した外国籍高級人材、上海科技創新職業リストに所属する企業が雇用及び保証する業種の 高級人材は、入国後にRビザを申請またはRビザに変更できる。
⑤上海地区の大学で修士以上の学位を取得し、上海自由貿易試験区、張江国家自主創新示範区で就業する外国留 学生は、上海自由貿易試験区、張江高新技術産業開発区管理委員会が証明を発行すれば、外国人の就業手続及び 就業居留許可の申請ができる。
⑥中国内の大学を卒業し、本科以上の学歴を有する外国留学生が上海で創業する場合、有効期間2年の私人事務居留 許可(創業)を申請でき、その期間に企業に雇用された場合、規定に基づき就業居留許可を申請できる。
⑦就業許可証を持って上海に入る外国人は、入国後、直接、就業許可書に基づき1年以内の就業居留許可を申請するこ とができる。または、到着地の査証機関でZビザ(就業ビザ)を申請でき、入国後に規定の期限以内に就業居留許可を申 請することができる。
⑧上海に投資または創業する外国人は、投資証明または創業計画、生活の出所の証明等の提出により、到着口岸の査証 機関でS2ビザ(私人事務ビザ)を申請し、入国後、私人事務居留許可を申請することができる。
⑨香港・マカオ居民特殊人材及び家族が上海に来る場合の定居政策を実施。
⑩外国籍高級人材及び創業人材が雇用する家政婦への私人事務居留許可の発行。
⑪上海市海外人材居住証(B証)制度の改善。居留許可の延長申請可能期間を最高10年まで延長(条件により延 長期間は異なる)
⑫上海市で2回、就業居留許可を取得し、規定違反のない外国人は、3回目の申請時に5年以内の就業居留許可を申 請できる。
本文書内のヒアリング結果は、2015年7月15日時点の内容です。具体的な実施状況については、関連部門(出入国 管理局、労働局等)へ確認が必要となりますので、ご了承ください。
正直なところ、③の60歳以上の運用、⑦の入国後のZビザ申請、⑫の就業居留許可の延長申請可能期間の長期化、こ の三点が会社運営に直結している要素が強く、今後の実務上の運用に期待したいところです。