採用情報
グローバル投資プラットフォーム
SHARE
  • SHARE with facebook
  • Tweet
LANGUAGE
CONTACT US

News/Newsletter

Newsletter of FCG Group.

FCSHニュースレター Vol.55 (2015年2月19日)

Thursday February 19th, 2015China

Sorry, this entry is only available in JP. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

「短期業務を完成させる任務のための外国人入国」についての続報

 

人事資源社会保障部、外交部、公安部、文化部は、2014 年 11 月 16 日に、「短期業務を完成させる任務のため入国する 外国人の関連手続に関する通知」(人社部発【2014】78 号)を公布し、2015 年 1 月 1 日より施行されました。簡単にいうと、 90日未満の入国でも、指定された業務を行う場合は Z ビザ(就業ビザ)を取得、Z ビザの対象でなくとも、別途指定された業務の 場合は、F ビザや M ビザを取得しなければならないという内容です。(詳細は、弊社のニュースレターNO.50 をご参考ください)

 

その後、上海人力資源及び社会保障局は「短期業務を完成させる任務のため入国する外国人の許可証申請手続と業務証明 の注意事項」(試行版 201501)を交付し、実際に手続が開始されました。

具体的な手続方法は、以下の通りです。

 

キャプチャ

 

キャプチャ

 

なお、今回の通知が出されたことにより、当該ビザについてのお問い合わせが増えております。大きく分けて、2 つのお問い合わせが あり、弊社が政府機関に問い合わせた際の回答は、以下の通りでした。(2015 年 2 月中旬の情報)

①上述の「短期業務を完成させる任務」に該当する場合、本当に Z ビザが必要なのか。ノービザ、または M ビザではだめなのか?

(1) 中国駐大阪総領事館(電話)→該当する場合ビザを取得しないと罰金となる。

(2) 上海市人力資源社会保障局(電話)→該当する場合は Z ビザの申請が必要。手続は既に始まっている。

(3) 上海入国管理局(電話)→ノービザで問題ないかは判断できない。上海市出入国辺防検査局に確認するように。

(4) 上海市出入国辺防検査局 →電話つながらず。

(5) 弊社近くの派出所→該当する場合は申請が必要。

②上述の「短期業務を完成させる任務」に該当しない場合、90 日以内は、F ビザまたは M ビザを取得するように記載があるが、ノー ビザでの入国はだめなのか?

(1) 中国駐大阪総領事館(電話)→該当する場合、ビザを取得しないと罰金となる。

(2) 上海市人力資源社会保障局(電話)→管轄外(Z ビザの申請のみ)。

(3) 上海入国管理局(電話)→ノービザで問題ないかは判断できない。上海市出入国辺防検査局に確認するように。

(4) 上海市出入国辺防検査局 →電話つながらず。

(5) 弊社近くの派出所→ノービザ入国はあくまで入国までの話。就業はだめである。就業とは収入を得ることである。出張について は判断できない。入国管理局に聞くように。

 

上記の内容は、基本的には法令どおり、もしくは自分の部署は管轄ではないから他に聞けという責任転嫁的な回答ばかりです。 弊社の私見ですが、制度上、ノービザ入国が駄目であったとしても、実務上、大規模な取り締まりは不可能だと考えます。

企業は、下記の予想されるリスクを踏まえて、ノービザ入国、もしくは法令どおり保守的にビザを取得したうえで入国という選択が求 められます。中国は、地域や管轄公安などで、解釈や取締りレベルが異なることが多いので、ご注意が必要です。

 

【予想されるリスク】

(1)犯罪や事故などに巻き込まれた際に、所持しているビザが実際と異なると判断される。

(2)競合会社や会社に不満を持った従業員、マンションの住民等から、出張者や長期滞在者のビザが問題だとタレこみされる。

(3)ホテル以外の場所に宿泊する際、72 時間以内の臨時宿泊証明の取得が必要だが、その際に、公安で所持しているビザが 実際と異なると判断される。

(4)国際的な会議やイベント開催時の公安当局の取り締まり強化(以前は北京オリンピック開催時など大幅に強化された)

(5)上海など大都市は比較的リスクは低いが、外国人が少ない地域に出張に行く際は、公安の解釈が異なる可能性があるので、 注意が必要。

 

【対応策】

(1)社内で出張の重要度を判断し、就業と判断されるリスクが高いと思われる場合、中国大使館等に問い合わせ、個別に判断 する。重要度が高い業務についてはノービザで入国できる条件であっても、ビザ取得をする。

(2)ホテル以外に宿泊する場合は、臨時宿泊証明を自分で取得しなければならないので、なるべくホテルに宿泊する。

(3)中国入国時の入国カードの記入方法を統一する。「観光」とするのか「商用」とするのか等のルールを設定する。

(4)就業と商用の区別を明確にする。現地法人の名刺などは、就業とみなされる可能性が高いため、使用しない。

 

現在、中国への入国が 14 日以内の入国がノービザで認められている国は、日本やシンガポール等のごく一部の国籍に限られてい ます。ノービザ入国がそもそも中国ではレアであるため、それを認められていた日系企業(厳密には日本パスポート保有者)は、対 応に苦慮している状況です。何もなければ、14 日以内のノービザでの入国に大きな問題ないと思いますが、異常事態が起きた場合 は大変かもしれません。リスクをどこまで考慮するか、判断が難しいところです。