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2022年10月20日アメリカ
第41回:Wage Transparency Laws (給与の透明性についての法律)
カリフォルニア州のギャビン・ニューソム州知事は2022年9月27日、州内の15名以上の従業員を抱える雇用主に対し、求人広告上でそのポジションの給与範囲を開示することを義務付ける法案に署名をしました。これにより2023年1月1日以降、州内の対象となる雇用主は、社内で設定している同ポジションの給与範囲と異なる給与を求人広告に掲載することができなくなります。また、「給与:応相談」あるいは「給与:経験による」などと記載した求人広告を出すこともできません。
このほかにも各州や自治体において、男女間の賃金格差を縮小し、公平な職場環境構築を促進するため、給与の透明性に関わる様々な法律が制定されています。今回は、給与の透明性についての法律をまとめてご紹介します。
上記に加え、21の州と15の自治体において、雇用主が候補者に対し、過去に受け取っていた給与の情報を尋ねることを禁止する法律が制定されています。また、20 の州とコロンビア特別区において、従業員が給与について話し合うことを雇用主が制限することを禁止する法律が制定されています。言い換えれば、従業員同士が給与に関する情報を自由に共有し合う権利が、法律により保障されています。
このような法律があることからもわかるように、雇用主は各ポジションの給与範囲を決める際、経験年数や資格の有無などの条件に基づいて最低給与と最高給与の水準を定めるべきであり、それ以外の基準(性別・年齢・人種・前職での給与など)によって従業員ごとに異なる給与を定めることは決して行ってはいけません。また、このように公正に定められた給与を開示することを義務付ける法律は、今後さらに多くの州や自治体で制定されることが予想されます。各企業においては、州・自治体から発信される情報に注視し、法律に違反することのないよう公平な採用活動や人事管理を行っていくことが重要です。
By 上野 裕美
Fair Consulting USA Inc.
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◇涌井 正晴
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