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ロイヤリティ(ノウハウ)と事業所得の違いに関する内国歳入庁の決定

06/01/15 Monday馬尼拉

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2015年6月2日に、内国歳入庁は、「BIR Ruling No. ITAD 172-15」を公布し、ロイヤリティ(ノウハウ)と事業所得の違いについて以下の決定を下しました。

<背景>
外国会社Aが、フィリピンの会社Bとオフショアサービス契約を締結し、外国会社Aは、資産管理の調整、マネジメントサービス、サポートサービスをフィリピン会社Bへ提供することに合意した。これらのサービスは全て、外国会社Aの国で行われた。

<論点1>
外国会社Aへの支払は、ロイヤリティではなく役務提供費と分類されるか?

<決定1>
役務提供費と分類される。所得と資本に対する租税条約のOECDモデルは、ノウハウの提供に対する支払(ロイヤリティ)とサービスの提供に対する支払(事業所得)の違いに関し、以下の基準を提示している。

  • a) ノウハウの提供に対する契約は、既存の情報または既に開発済みの情報に関するものであり、当該情報の機密性に関する規定を含んでいる。
  • b) サービスの提供に対する契約においては、サービス提供者は、その専門知識やスキルを使ってサービスを提供する場合があるが、その専門知識やスキルそのものを提供することはない。
  • c) ロイヤリティが発生するノウハウの提供に対する契約においては、既存情報の提供または既存資料の再作成以外にサービス提供者が行うことは非常に少ない。
    一方で、事業所得が発生するサービスの提供に対する契約においては、ほとんどの場合、サービス提供者は、契約上の義務を履行するために、研究・設計・テスト等を行う従業員の給与といった高レベルの支出を負担する。

当該契約においては、既存情報の提供や既存資料の再作成といった作業はなく、資産管理の調整、マネジメントサービス、サポートサービスの提供を主としているため、ノウハウの提供ではなくサービスの提供と分類される。

<論点2>
外国会社Aは、フィリピン所得税の課税対象となるか?

<決定2>
課税対象とはならない。全てのサービスはフィリピン国外で提供されたため、外国会社Aは、フィリピンの恒久的施設(PE)とはみなされない。

<論点3>
外国会社Aは、フィリピンVATの課税対象となるか?

<決定3>
課税対象とはならない。税法第105条に関する第108(A)条は、フィリピン国内で提供されたサービスにのみVATが課せられると規定している。外国会社Aは、フィリピン国内ではサービスを提供していないため、VATの課税対象とはならない。