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タックスヘイブン対策税制における合算課税の適用除外を巡る事件の判決で、地域統括会社の判断基準示される。

05/15/16 Sunday日本

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名古屋高裁は、平成28210日の判決で、「子会社に対して行われる地域統括業務は、株式保有業に本質的に伴うもので、株式保有業のための業務として含まれているものであることを前提としつつも地域統括業務が実体を伴って行われている場合に、合算対象から除外することとしたものであって...。中略 そして実際にも○○は、地域統括業務から利益を得るのではなく、保有する株式の配当によって得ているのであり、「主たる事業は」名実ともに株式保有業と認められるのである。」と判示した。

さらに「会社は営利法人であり、利益を上げることを目的として、集めた資本等を経済合理性があるように運用しているのであるから、「主たる事業」の判定に当たって、当該事業のために保有している財産の資産総額に占める割合や当該事業による所得金額の多寡を重視すべきことは当然である。」とした。

このことから、高裁判決は、地域統括業務は株式保有業のための業務の一つであるとの前提に立ち、それが主たる事業として行われている場合には、タックスヘイブン対策税制における合算課税の適用除外基準を満たすことになり、他方、名実ともに株式保有を主たる業務としている場合、すなわち、保有する株式の配当による利益の方が地域統括業務から得られる利益より多いような場合には同適用除外基準を満たすものではない(合算課税を受ける)との考え方を採用しているものと認められる。

現在、納税者は最高裁に上告しており、最高裁の判断が注目されるところである。