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《関連会社取引に係わる書類(移転価格文書)と追加情報について》

12/30/16 Friday雅加达

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  1. OECDのBEPS(税源浸蝕と利益移転)プロジェクトの行動計画13にある「移転価格関連の文書化の再検討」をインドネシアがアセアンで初めて受け入れ、移転価格文書について新たに規定したもの。
  2. 移転価格文書は、①マスター・ファイル、②ローカル・ファイル、③国別報告書により構成される。
  3. 関連会社と取引のある会社で、①前課税年度年において年間500億ルピア以上の収入のある会社、②当該年度で関連会社と有形資産取引が200億ルピア以上、③サービス、金利支払い、無形資産取引で50億ルピア以上ある会社、および④インドネシア所得税法で規定されている所得税率(25%)よりも低いレートの国(シンガポール、香港、タイ、マレーシア等) にある関連会社と取引のある会社(ミニマム金額記載なし)は、マスター・ファイルとローカル・ファイルを提出しなければならない。(ドル会計を採用している会社は課税年度末のレートで換算する)  (2条)注) 旧規程では一つの関連会社と年間100億ルピア以上ある会社に対して移転価格文書化の作成義務を課していた。日本の適用対象は連結総売り上げ1000億円以上の多国籍企業。
  4. 上記移転価格文書は、他の法令で規定されている移転価格文書の一部をなす。 (2条)
  5. 該当課税年度において関連会社との連結総売り上げが年間11兆ルピア以上あるインドネシアの親会社はマスター・ファイル、ローカル・ファイルに加え、国別報告書を作成しなければならない。
  6. 親会社の国において国別報告書の提出を要求されない場合、親会社所在の国と情報交換協定がない場合、情報交換協定があっても情報を入手できない場合でも、国別報告書を子会社を通して提出されなければならない。 (2条)
  7. 関連会社との取引が12か月に満たない場合はプロラタベースで年間取引金額を計算する。 (2条)
  8. マスター・ファイルとローカル・ファイルは関連会社と取引のある課税年度の、国別報告書は課税年度終了時点までの情報とデータを利用しなければならない。当該条件を満たさない場合は独立企業原則に従っていないとみなされる。 (3条)
  9. マスター・ファイルとローカル・ファイル(要約を添付)は課税年度末後4ヶ月以内に利用できる状況に、国別報告書は課税年度終了後12か月以内に利用可能な状況にし、翌課税年度の年次納税申告時に提出しなければならない。  (4条)注)上記の規程でいくと、マスター・ファイルとローカル・ファイルは2017年4月末までに利用できる状況にしなければならない。
  10. 税務調査、犯罪に係わる初期証拠調査において、また納税者の査定減額または取り消し申請が間違っていた時に、税務官はマスター・ファイルとローカル・ファイルを要求することが出来、納税者は指定された期限内に書類を提出しなければならない。期限内に提出出来なかった場合(通常期限後1か月以内)は、正式な書類とみなされない。  (5条、6条)
  11. マスター・ファイルとローカル・ファイルの要約版および国別ファイルは年次納税申告時に提出する。要約版が提出されない場合は、申告が不完全なものと見做される。 (7条)
  12. マスター・ファイルは少なくとも、①株主構成、株主の法的地位、②構成会社の事業活動、③グループが所有する無形資産、④財務活動状況、⑤連結財務諸表と関連会社取引情報、を含んでいなければならない。 (8条)
  13. ローカル・ファイルは少なくとも、①インドネシア法人の事業活動、②関連会社および独立的行われる非関連会社との取引情報、③独立企業原則適用の情報、④財務情報、⑤収益や価格に影響する非財務情報(収益に影響を及ぼした規制変更や災害等)、を含んでいなければならない。企業が複数の事業を行っている場合はセグメント情報にもとづいて作成する。  (9条)
  14. 国別報告書は少なくとも、①グループの構成会社、②各国関連会社の事業活動、③所在国、管轄税務署、④関連会社取引額、⑤税引き前利益、⑥法人税額、⑦資本の部の明細、⑧正規従業員、⑨現金等以外の有形資産、を含んでいなければならない。 (10条)
  15. 文書はインドネシア語で提出する。米ドル会計を採用している企業はインドネシア語へ翻訳した文書も提出する。  (11条)
  16. 本規程への違反に対する罰則は他の税法で規定されている条項に従う。  (13条)