- 賃金構成 (Struktur Upah) ・賃金スケール (Skala Upah) 作成については旧法(No.KEP.49/MEN/IV/2004)にても規定されていたが、本規程により就業規則(労使協定)への記載と、従業員への通知が義務化された。 また法令を遵守しなかった者に対する罰則も規定された。
- 経営者は従業員の職位階級 (Golongan Jabatan)、職位(ポジション)、勤続期間、学歴(教育レベル)、能力(知識、スキル、職業倫理)を考慮して賃金構成・賃金スケール(賃金幅)を決定しなければならない。
- 決定された賃金構成・賃金スケールは全従業員に対し個別に通知されなければならない。通知する内容は少なくとも当該従業員の職位に応じた職位階級の賃金構成とスケールである。
- 今後、就業規則(労使協定)の更新、変更届を地方政府、市に提出する場合は、賃金構成・賃金スケールを折り込んだものを提示しなければならない(従来は、記載義務はなかった)。提示後に当局は賃金構成・賃金スケールを返却する。また賃金構成・賃金スケールが作成されている旨の宣誓書 (Statement Letter) を提出する。
- 賃金構成・賃金スケールは経営者が定め、見直す。(労使協議を行う義務はない)
- 賃金構成・賃金スケールは、①ポジションの分析、 ②ポジションの評価、 ③賃金構成と賃金スケールの決定、の3段階を経て決定される。
- 賃金構成・賃金スケールは①単純ランキング方式 (Simple Ranking Method)、 ②2点基準方式 (Two Point Method)、 ③既存会社に対する要素項目基準方式 (Point Factor Method)、 ④新設会社に対する要素項目基準方式により決定される。
- 単純ランキング方式は①義務と責任による従業員のポジション・リストの作成、②ポジション・リストに対するランキング付与、 ③各ランキングに対する最小賃金、最大賃金の決定、④各ランキングに対する職位階級の決定、の手順により行われる。
9. 2点基準方式(The Two-Point Method) は、①現状の従業員全体の職位(ポジション)、職位階級レベル、最 小・最大賃金リストの作成、 ②各職位階級の決定、③各職位階級での業務範囲(責任、義務範囲)の決定、 ④各職位階級の最小賃金、最大賃金の決定、⑤各職位階級における職員の最小賃金、最大賃金、中間値、レンジ幅の決定、の手順で行う。
10. 賃金構成・賃金スケールが作成されていない場合、経営者は2017年10月23日までに賃金構成・賃金スケールを決定し、従業員へ通知しなければならない。既に作成しており、新規程の条件に合致する場合も、2017年10月23日までに提示しなればならない。
11. 人材省の人材監督官が賃金構成・賃金スケールの実行状況について監督を行なう。
12. 違反者に対しては、①警告書の発送(15日間で2回まで)、②業務の一部停止、③生産、営業の一部、または全部の一時停止、④業務全面停止の行政罰が与えられる。