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02/15/18 Thursday印度
本稿では、雇用契約書における給与に関する条項について解説します。雇用契約書に記載されるべき給与に関する条項例として、例えば、以下のものが考えられます。
Salary and Allowances:
You are being appointed at the salary of INR – (gross) per month and allowances as applicable to your category of employees. The details of the same are presented in the Annexure I attached herewith. Your salary shall be reviewed annually and any changes, or lack thereof, shall be based upon your performance.
The payments made by the Company to you shall be subject to tax deduction at source as per the provisions of the Indian Income Tax Act, 1961, and any other tax as may be applicable, from time to time.
給与に関する条項を作成する上でポイントとなる点として、(1)給与や手当ての総額を明示するとともに内訳を明確にすること、(2)税金の取り扱いについて明らかにすることがあげられます。
インド人求職者は、しばしば給与以外の各手当てを要求することがあります。単に給与額のみを雇用契約書に記載した場合、時に何が給与に含まれ、何が含まれないのか不明確となることがあり、インド人が契約書に記載されている給与額とは別に前記各手当てを使用者に支払うよう求めてくるトラブルが起こりえます。そこで、給与総額を契約書で明示するとともにその内訳をAnnexure Iに明示することが一つの紛争防止手段として考えられます。
また、インドでは、給与の一部を源泉の上、これを労働者に支払う必要がありますが、インド人によっては自分が給与として合意した額は手取り額であったと主張してくるケースがあり得ます。無用なトラブルを防止するためにも、源泉徴収に関する事項を明記する方がベターと言えます。
なお、上記条項例では、給与の改定についても言及がありますが、これに関連して基本給与の引き下げについてよく相談を受けます。従来、the Employees’ Provident Fund and Misc. Provisions Act, 1952の規制から給与の引き下げは制限されていましたが、2011年の最高裁判例によって15,000ルピーまでであれば、引き下げが認められ得るようになりました。もっとも、基本給与の引き下げに際して正当な理由等が必要とされるので、この点は注意が必要です。