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【第70回】就業規則作成上の留意点(勤務スケジュール)

2018年02月15日インド

これまで雇用契約書の記載されうる条項の解説を行ってきましたが、本稿からは、オフィスの就業規則を作成するにあたって、記載が必要な条項について解説します(工場に適用されるものを前提としておりませんのでご注意ください)

本稿では、勤務スケジュール(Working Schedule)に関する法規制と就業規則記載事項について解説しますが、具体的には (1)勤務日数(2)勤務時間(3)休憩時間(4)休日をトピックとして取り上げます。なお、以下の説明は、特に断りがない限り、ハリヤナ州のオフィスに対する規制を前提とします。州ごとに規制内容が異なる場合がありますので、拠点が所在する各州の法令を参照することが推奨されます。

勤務スケジュールについては、原則として、(a)1日9時間、1週間48時間を超えて労働者を労働させてはならないこと(特別な負荷がある場合には残業が許されるなど、一定の例外あり)(b)5時間以上連続勤務させることは許されず、途中で最低30分の休憩を挟まなければならないこと、(c)残業や休憩時間も含め、労働者の1日の拘束時間は12時間を超えてはならないこと、(d)日曜日を休業日としなければならないこと、(e)共和国記念日、独立記念日及びガンジー生誕記念に加えて政府が祭日と指定する日のうち5日間を休日とすることなどの法規制が存在します。

したがって、勤務スケジュールを作成するにあたっては、上記規制に違反しない形で(1)~(4)の事項を就業規則に規定する必要があります。これはあくまで法の要求する最低限のルールであるため、例えば休憩時間に関しては45分から60分の休憩を設定する会社が多く、また、休日については3日間のナショナルホリディに加えて8日間ほどの休日を設定する会社が多いというのが実情です。また、休日は祭日と連動しますが、インドの場合その年によって祭日の日付が異なるため、例えば1月に会社がその年の休日の日付を特定する通知を発する旨就業規則に規定するなど、工夫が必要です。なお、the Negotiable Instruments Act, 1881にも祭日に関する規定が存在するため、念のため「Public holidays as per the Negotiable Instruments Act, 1881 will not be applicable to the Company.」など規定することで、休日の範囲を明確にすることが望ましいと言えます。