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10/23/15 Friday雅加达
1) 労働者の賃金受け取りの権利は雇用契約締結時から発生し、雇用終了時点でなくなり、雇用契約、就業規則、または労使協約で定められる。(2、4条)労働者は提供する同等の価値の業務に対して、同等の賃金を受け取る権利を有する。(11条)
2) 賃金は①手当のない賃金、②基本給+固定給(基本給は75%以上)、③基本給+固定給+変動手当(基本給は(基本給+固定給)の75%以上)のいずれかによりにより規定される。(変動手当とは時間単位で支払われるもので、残業手当、通勤手当等) (5条)
3) 雇用者は賃金以外として、ボーナス、業務上の便宜供与や補償、特定事業(ホテル、レストラン)におけるサービス料(チップ)を支払うことが出来る。(6条)
4) 雇用者はレバラン手当をレバランの7日前までに支払わなければならない。(義務化された)(7条)
5) 雇用者は(送迎車両、食事などの)業務上の便宜を特定の役職、業務に就く者、または全労働者へ提供することが出来る。業務上の便宜に代え、金銭を供与することも出来る。(9条)
6) 特定事業におけるサービス料(チップ)は、会社が集金、管理し、リスク料、人材教育分などを差し引いて、労働者へ分配しなければならない。(10条)
7) 賃金は日給、週給、月給による「時間単位」と「成果単位」で与えられる。「1日当たりの賃金」は週休1日の場合は1ヵ月賃金の25分の1、週休2日の場合は1ヵ月賃金の21分の1となる。(12、13条)
8) 公平性、生産性向上、福祉向上、格差是正のため「時間単位にもとづく賃金」は「賃金構成」と職階、勤続年数、学歴、能力などの「賃金尺度」を設定して決定され、全労働者へ通知される。(14条)
9) 「成果単位」にもとづく1か月の賃金は過去3ヶ月の平均賃金により決められる。(16条)
10) 雇用者は契約した日にルピアで賃金全額を支払い、「賃金支払い証明書(給与明細)」を発行しなければならない。賃金は最低、週に1回、最大月に1回支払われなければならない。(17〜21条)
11) 賃金は雇用契約、就業規則にもとづき定期的に見直される。(23条)
12) 傷病、結婚、出産などの都合による休暇、休暇権利としての年次休暇、国務、宗教義務遂行(メッカ巡礼等で勤務期間中に1回限りとする)、労働組合活動などの業務外活動、教育任務の遂行による欠勤に対しては、雇用契約、就業規則にもとづき賃金が支払われる。(24条)
13) 傷病に対する欠勤に対しては、最初の4カ月は100%、次の4カ月は75%、次の4カ月は50%、以降は雇用関係が終了するまで25%の賃金が支払われる。結婚による欠勤は3日分、子の結婚は2日分、子の割礼、洗礼は2日分、妻の出産は2日分、2親等以内の親族の死亡は2日分、それ以外の親族は1日分の賃金が支払われる。(26条)
14) 退職金は(基本給+固定給)にもとづき支払われる。(34条)
15) 会社が破産した場合、担保権者への支払い後に、賃金の支払いが優先される。労働者が破産した場合は、賃金は破産資産に含まれないが、裁判所が25%を超えない範囲で非破産資産を定めた場合はその限りではない。差し押さえがあった場合は、賃金の20%までは保護される。(37〜39条)
16) 「適正生活必需品額」にもとづき、州賃金委員会の勧告に従い、州知事により最低賃金が定められ、勤続1年未満の労働者へ適用される。「適正生活必需品額」は5年ごとに見直される。(41〜43条)。州知事は県・市の最低賃金も定めることが出来るが、県・市の最低賃金は州の最低賃金を下回ってはならない。州知事はセクター(業種)別最低賃金も定めることが可能。(47〜49条)
17) 翌年の最低賃金は(当該年の最低賃金)X(1+インフレ率+GDP成長率)により決定される。(44条)
18) 罰金、損害賠償金、先払い賃金、社宅家賃、会社への債務等は賃金と相殺できる。(51条)
19) 雇用者、労働者が就業規則、労使協約に違反した場合は、罰金が科せられる。(53条)
20) 賃金の遅延、不払いに対しては4〜8日の場合は賃金の5%、8日目以降は1日毎にさらに1%が加算される。(ただし1ヵ月の賃金の50%を超えない)1ヵ月を超えた場合は国営銀行の金利が追加される。レバラン手当の支払い遅延に対しては5%の罰金が科せられる。(55.56条)
21) 規程違反に対しては、警告、事業活動制限、業務の一時停止、事業活動停止措置が取られる。