FCG 中華圏ニュースレター（No.195）│FCG│Fair Consulting Group

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FCG 中華圏ニュースレター（No.195）

11/06/24 Wednesday中華圏

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北京・蘇州・上海・成都・広州・深圳

全国版ネガティブリスト（2024年版）の公布

2024年9月6日、中国の国家発展改革委員会および商務部は全国版の「外商投資参入特別管理措置（ネガティブリスト）（2024年版）」を公布しました。本ネガティブリストは2024年11月1日より施行され、全国版ネガティブリスト（2021年版）が同時に廃止となります。ネガティブリストとは外資企業が中国本土へ投資参入する際に制限・禁止する分野を示したリストであり、全国版のネガティブリストは一部地域（※）を除いた中国全土を適用地域とするものとなります（※自由貿易試験区および海南島全域はそれぞれ別途ネガティブリストがあります）。

本ネガティブリストの公布により、2021年版と比較し制限・禁止項目が31項目から29項目へ減少しました。減少した項目は「出版物の印刷は、中国側の持分支配としなければならない」「漢方煎じ薬の蒸す・炒める・炙る・焼くなどの加工処理技術の応用および漢方薬の秘伝処方製品の生産への投資を禁止する」の2項目であり、この減少により、外資企業の製造業への参入規制が全面的に撤廃されました。本ネガティブリストは以下のとおりです。

外商投資参入特別管理措置（全国版ネガティブリスト）（2024年版・日本語参照訳）

外資企業が中国本土への投資及び事業展開を検討する際は、本ネガティブリストの確認が不可欠となりますが、本ネガティブリストに記載がなくても、他の法令により事実上参入規制がある分野があるため注意が必要となります。また、本ネガティブリストは外資企業を適用対象としたものですが、別途、内資・外資を問わず市場参入規制を示した「市場参入ネガティブリスト」もありますので、合わせてこちらの確認も必要となります。

＜日本語参照訳に関するご利用のお願い＞

上記の日本語参照訳は中国語を原文とした翻訳です。翻訳には正確を期しておりますが、日本語と中国語の内容に相違が生じる場合があります。日本語参照訳と中国語原文に相違がある場合、中国語原文を優先してご確認いただきますようお願いいたします。

香港

最新施政報告の発表

1. 最新施政報告の発表

香港政府トップの李家超（ジョン・リー）行政長官は2024年10月16日、就任後３回目となる施政報告（施政方針演説に相当）を立法会（議会）で行いました。前２回とは異なり国家安全維持のための法整備が既に完了している今回は、経済対策と市民生活の改善により力点を置いた内容となりました。住宅ローン規制の緩和や、アルコール度数が高いスピリッツ（蒸留酒）の税率引き下げ、低空域を活用した輸送や物流などの経済活動「低空経済」の開発、「銀髪経済（シルバー経済）」と呼ばれる高齢者関連産業の活性化などを打ち出しています。

スピリッツの減税については即日実施されており、「アルコール度数が30％超の酒類」が対象となります。従来は100％の高関税が課されてきましたが、輸入価格が200香港ドルを超える部分の税率が10％に引き下げられました。

また、香港登記企業に勤める外国人従業員に対して発給される中国本土マルチビザの有効期間が５年に延びるとも述べています。香港を拠点に本土を往来するビジネスパーソンの利便性を高めるもので、今後は手続きも迅速化されるとのことです。

2. CEPA協定の改定

香港政府は2024年10月９日、香港と中国本土間の経済・貿易関係緊密化協定（CEPA）について、構成する４分野のうちの１つ「サービス貿易協定」の第２改正議定書に署名したと発表しました。来年３月１日に発効となります。金融、建築・関連工事、検査・認証、電気通信、映画、テレビ、旅行など香港が優位性を有するサービス分野で市場開放が一段と進められることになります。具体的には本土で香港系企業を設立する際の出資比率や業務範囲に関する規制を撤廃または緩和するほか、香港の専門家が本土でサービスを提供する際の資格要件を緩めるとともに、香港から本土へのサービス輸出に関する規制も緩和されます。

3. ホテル税の復活

香港立法会（議会）は2024年10月23日、ホテル税の復活に向けた決議案を賛成多数で可決しました。2025年１月１日から施行されます。ホテル税は2008年7月に税率がそれまでの３％から０％に引き下げられ、事実上廃止されていましたが、徴税の再開により歳入を拡大し、新型コロナウイルス禍の影響で赤字が膨らんだ財政を立て直す狙いです。香港政府金融サービス・財務局の許正宇（クリストファー・ホイ）局長によると、香港にあるホテルの客室は合わせて９万2,000室で、ホテル税の復活で毎年11億香港ドルの税収を見込んでいます。

4. 法人税申告期限の延長

香港税務局は2024年11月4日、Code M（決算日が1月～3月）の法人について、2023/24年度の法人税申告期限を11月15日から11月29日まで延長すると発表しました。

香港税務局は、申告期限は延期したものの、できる限り早めに申告書を提出することを勧めています。

台湾（台北・台中）

【ハイテク・省エネ研究開発、エンジェル投資家に係る租税優遇措置を拡大することに】

台湾経済部は10月4日に、産業創新条例に関する改正案を公表しました。主な内容は以下の通りです：

● ハイテク・省エネ研究開発費に係る法人税税額控除（第10条の1）

　■ 適用産業の新規追加：従来のスマートマシン、5G、情報セキュリティのほか、機械学習、自然言語処理をはじめとするAIサービス・商品と、温室効果ガス排出削減に効果のある省エネルギー技術に関連する研究開発費等を、新たに税額控除の対象に加える。

　■ 適用する金額の拡大：適用する研究開発費の上限を、10億台湾ドルから18億台湾ドルに増額。

　■ 適用する期間の延長：当租税優遇の適用期限について、従来の2024年末までであったが、2029年12月31日に延長する。

● 台湾法人の海外投資に係る事前許可と罰則（第22条と第67条の3）

　■ 事前許可制の修正：従来の条文では、海外投資額が15億台湾ドル以下であれば事前許可を得る必要はないが、この規定を削除し、特定の国家・地域や産業・技術に関連し、または投資額がある一定程度を超える場合に、事前に許可が必要となるよう修正

　■ 違反行為の罰則：事前許可が必要な状況で許可を取得しなかった場合、主務官庁は10万台湾ドル以上100万台湾ドル以下の過料を科し、その海外投資を期間内に停止・撤廃させることができる。再度違反した場合、100万台湾ドル以上1,000万台湾ドル以下の過料を科す。

● エンジェル投資家に係る所得税控除額の新規整備（第23条の2）：本来のエンジェル投資家に係る所得税控除は、会社設立後2年以内のベンチャー企業に限られるが、今回の改正案において、設立後2年以上5年未満のベンチャー企業に50万台湾ドル以上投資し、そのベンチャー企業の株式を保有して3年後の当年度に、投資額の半分（300万台湾ドルの限度で）をエンジェル投資家の総合所得総額から控除することができる。